GC-MS法によるシリコンウェハ表面からの発生ガス分析
MSTips No.253
概要
半導体の処理工程ではシリコンウェハ表面に有機化合物が付着し、製品の歩留まりに悪影響を及ぼすため、その品質管理としてGC-MS法が用いられる。今回はジーエルサイエンス社製シリコンウェハアナライザーWA2560と日本電子製四重極型質量分析計JMS-Q1500GCを用いて発生ガスの分析を行ったので紹介する。
実験
WA2560は装置内にセットしたシリコンウェハを加熱し、発生したガスを捕集管を用いて濃縮し、GC-MSに導入する。今回はブランクのシリコンウェハ(直径300mm)を測定試料とし、有機化合物混合標準液を各成分100ng相当となるように添加して測定した。各装置の測定条件をTable1に示す。
Table 1. Measurement conditions of HS-GC-MS
WA2560 | |
---|---|
Chamber temp. | Room temp.→15min→400°C (15min) |
Purge flow | He, 270mL/min |
Sampling flow | 100mL/min |
Trap tube | Tenax TA |
GC | |
Oven temp. | 40°C (5min)→10°C/min→280°C (21min) |
Column | InertCap-1MS (GL Sciences Inc.) 60m x 0.25mm i.d., Film thickness 0.25μm |
MS | |
Ion source temp. | 250°C |
Interface temp. | 280°C |
Ionization mode | EI, 70eV |
Ionization current | 50μA |
Measurement mode | Scan (m/z 35~450) |
※ TenaxはBUCHEM.B.V.の登録商標です
結果
測定結果のTICクロマトグラムをFigure1に示す。添加した成分のピークを確認することができた。

Figure1. TIC chromatogram
- このページの印刷用PDFはこちら。
クリックすると別ウィンドウが開きます。
PDF 417.5KB