臭素化難燃剤 : ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)の高分解能SIM測定
MS Tips No.128
2003 年 1 月に欧州連合 (EU) で採択された「WEEE指令」は、廃電気電子機器に関する指令であり、電子機器メーカー、輸入業者及び販売代理店などに対して、再使用とリサイクリングを考慮した電気・電子機器の設計、分別回収、再生率及び再利用・リサイクル率の目標達成、収集、処理、再生、処分のためのコスト負担等の義務を課すものです。またWEEE指令を補完する「RoHS 指令」も同時期に採択されており、RoHS 指令は電気・電子機器の設計段階で特定の有害化学物質の使用を厳しく制限するものです。2006 年 7 月には両指令ともに施行され、今日に至っています。ポリ臭素化ジフェニルエーテル (PBDEs) は RoHS 指令における使用規制物質の 1 つですが、PBDEs はプラスチック材料の難燃剤として広く使用されてきました。PBDEs 測定法としては精力的な学術研究の下、種々の検討がなされており、溶媒抽出法、ソックスレー抽出法、そして熱抽出法などの前処理の後、GC/MS を用いた定量分析法が主に用いられています。今回 GC/MS として高感度・高分解能な二重収束質量分析計JMS-800D を使用し、高分解能 SIM 法による PBDEs 測定における感度及び検量線の直線性について検討しましたので報告します。
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