タマネギから放出される催涙物質の検出
MSTips No. D004 Application Note for DART
タマネギをみじん切りすると眼への刺激を引き起こす化学物質が放出されることは、料理をするすべての人が知っていることです。みじん切りされたタマネギや同類の植物から放出される催涙物質は、一連の酵素反応によって Cysteine 誘導体から形成される Propanethial S-oxide(C3H6SO)です。この化合物は反応性が高く、不安定であり、そのために従来の質量分析法では分析が困難です。しかし、DART イオン化法では、切ったばかりのタマネギを質量分析計正面にかざすだけで、Propanethial S-oxide を容易に検出することが可能でした。このとき、室温、大気圧下で、タマネギを切ったこと以外の前処理なしで分析を行ないました。その化合物は [M+H]+(C3H7SO,m/z91.0139)として検出されました。
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