焦点深度が深い走査電子顕微鏡:金属破断面の観察例
走査電子顕微鏡(SEM)と光学顕微鏡で、凹凸の大きい試料の見え方の比較をしました。
試料は真鍮ネジの破断面です。破断面の観察は金属材料などの故障解析で有用な情報を得る方法の一つです。
試料は真鍮ネジの破断面です。破断面の観察は金属材料などの故障解析で有用な情報を得る方法の一つです。
1.低倍率での観察


左下の矢印付近に注目してみると、
走査電子顕微鏡では破断面の周囲のねじ山のところまで焦点が合っています。
一方、光学顕微鏡では破断面の周囲の焦点が合わず、ボケていることがわかります。
2.拡大して観察
さらに拡大して観察しました。


走査電子顕微鏡では視野全体に焦点が合っています。
光学顕微鏡では周辺部の焦点がボケてしまっています(右上、左下の矢印部分)。
さらによく見てみると、走査電子顕微鏡では破断面の細かい凹凸の違いや小孔も見えています。
金属の破断面は凹凸が激しいので、走査電子顕微鏡を使った観察は大変有効といえます。