真鍮製配管部品のひび割れ解析 - XRFとEPMAによるトラブル原因の追及 -
InSpirAtion【故障解析】
はじめに
製品に発生したトラブルに対しては被害を最小限に抑えるために、早期の原因追究、再発防止策を実施しなければなりません。
蛍光X線分析装置(ED-XRF)は、固体、液体、粉体のあらゆる試料状態において、非破壊でかつ短時間に元素分析が可能です。早期に原因追究を行うためにプレチェック機として活用できます。
ED-XRF
冷却水用の真鍮製パイプにひび割れが入り水漏れが発生した部品です。ED-XRFを用いて、ひび割れ箇所の元素分析を行いました。

元素分析結果からSnとPbの含有量に違いがあることが判明しました。ひび割れ部分の元素の分布状態が異なっていることから、EPMAによる精密分析を実施しました。
EPMA
EPMAでは、元素の分布状態や組織の大きさの確認が出来ます。

EPMAによる元素マッピングより、主成分のCuとZnの組織の大きさが異なっていることが判明しました。
まとめ
ED-XRFは、短時間に含有元素情報が簡単に入手できます。またこれらの元素情報をもとに次の精密分析方法を早期に決定することが可能となります。EPMAの元素マッピングでは、元素分布状態や組織情報が得られ、発生したトラブルの原因追究に役立ちます。
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