Mnマーカによる信号強度の補正 - 定量再現性の向上 -
ER040005
扁平セル(LC12)は、水溶液試料の高感度測定になくてはならないものです。
この扁平面は、共振器内で常に一定方向にセットされるようになっていますが、わずかな角度の差も信号強度に多少影響を与えます。
JEOLのESR装置ではMnマーカを同時測定し目的ラジカル強度を補正することで定量再現性を向上させることができます。

扁平セル(LC12)
右図は安定ラジカルTEMPOL(10μM水溶液)およびMnマーカーの同時測定スペクトルです。試料を扁平セルに取り、共振器への出し入れを伴う測定を10回行いました。セルを装置へ装着する際に、装着角度をマニュアルで微調整した場合と、しなかった場合で得られた信号強度のばらつきを下に比較しました。(データの詳細は省略)


上表で算出されたように、マニュアルで微調整した方が、各信号強度のばらつきは小さくなりましたが、Mn強度との比をとることで微調整しなかった場合でも良好な値となりました。
右図はそれぞれの結果のc.v.を表示したものです。以上からマーカを同時測定することで、特別な操作をしなくても精度の良い測定ができることが示されました。
