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有機ラジカルの同定に用いるg値の比較

ER050003

ESRのスペクトルから得られる同定の情報のうち、最も重要なパラメーターはg値です。これは観測した不対電子が何の核の近傍にあるかを表わし、実測スペクトルから次式により算出されます。

hν=gβH

FAシリーズでは、装置内で磁場およびマイクロ波の周波数を正確に読みとり、得られた信号のg値を画面上で簡単に表示することができます。有機ラジカルは、g=2付近に信号を与えますが、正確に読み取ることによって、より詳しい同定が可能となります。

図は、樹脂を測定した例です。3種の異なる樹脂を異なる過酷試験状態におき、任意の時点で取り出して測定しました。ESRはスペクトルを微分波形で表示しますので、各信号の同定はスペクトル中央の水平線を基線として、波形がこれと交わる点を求めて行います。同時測定したMnマーカー信号で補正することにより、各スペクトルの信号は、それぞれg = 2.0031, 2.0040, 2.0051 と算出されました。これらの値から、信号はそれぞれ -C(carbon radical)、-C-O(alcohoxy radical)、-COO(peroxy radical) であることが分かりました。

樹脂を測定した例

数値としては極めてわずかな差ですが、これらの値はラジカル種同定の決め手になるパラメーターです。試料条件と観測されたラジカル種から、樹脂の酸化劣化のメカニズムを検討し、劣化防止に向けた研究の糸口が発見されることが期待されます。

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