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時間分解ESRによるポリマー中間体の測定 Ⅱ

ER100001

ES-CIDEP3時間分解ESR(Time Resolved ESR;TR-ESR)は、光化学反応で生じる初期過程の短寿命のラジカルを、約200nsの時間分解能で測定することができます。(アプリケーションノートER090004も併せてご覧ください)。

図1 光化学反応で開始されるラジカル重合反応スキーム
図1 光化学反応で開始されるラジカル重合反応スキーム

図1にTMDPOを重合開始剤とした、ビニルモノマーのラジカル重合反応を示しました。TMDPOにレーザー照射することにより生じたDPOは非常に反応性に富んでいるため、モノマーを添加すると付加反応により生長ラジカルを生じます。これが、更にモノマーと反応し重合反応が進展します。 モノマーとしてEthylvinyletherを用いた場合の初期の重合過程で生じた開始ラジカルをES-CIDEP3で測定し、得られた2次元スペクトルを図2に示しました。極めて短い時間スケールで、開始ラジカルが生じ減衰していく様子が捉えられました。レーザー光照射から2μs後の時間分解ESRスペクトルを図3に示しました。得られたパラメーター( aP = 6.77 mT, aHα = 1.48 mT, aHβ = 1.56 mT, aHγ = 0.18mT)は、開始ラジカルの構造と良く対応しています。 このように、光化学反応で生じる重合ラジカルの解析に、時間分解ESRは非常に有用なツールになると考えられます。

図2 Ethylvinyletherの開始ラジカルの2次元スペクトル
図2 Ethylvinyletherの開始ラジカルの2次元スペクトル

図3 Ethylvinyletherの開始ラジカルのスペクトル
図3 Ethylvinyletherの開始ラジカルのスペクトル

参考文献

Y.Mizuta et.al. Appl. Magn.Reson. 19, 93-110 (2000)

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