新しいESR装置 JES-X3シリーズ
ER120003
- はじめに
JES-FAシリーズESR装置は、多くのお客様のご好評に支えられ10年余の期間販売をさせて頂いて参りました。その間、さまざまなアプリケーション分野に亘りお客様の多様なニーズをお聞かせいただいて参りました。そうしたご要望を受けて、このたび新たなESR装置としてJES-X3シリーズを販売開始しました。またこの機会に種々のアタッチメント類もあわせてリニューアルしました。 - JES-X3シリーズの特徴
弊社のESR装置では、いち早く高感度・低雑音のガン発振器を採用してきましたが、このたび雑音レベルの一層の低減に成功し測定感度を30%アップすることができました。(従来品JES-FAシリーズとの比較)
オートチューニング機構にも改良を加え、より短時間で、より高精度のチューニングが可能になりました。どなたでも試料に応じた最適なマイクロ波条件で、感度よく再現性の高いESR測定が可能です。
またフットスイッチによる測定開始にも対応しました。活性酸素ラジカルの検出など反応時間の管理を要する多くのルーチンワークにより簡便に対応可能となりました。
OSとしてWindows®7を採用し、直感的で使いやすいユーザーインターフェースを用意するとともに、測定条件の自動連続可変を可能とするシーケンシャル測定モードを充実させ、簡便に効率の良い2次元測定が可能となりました。スピンラベル法での温度依存性、光照射に伴うラジカル量の経時変化、単結晶の角度依存性など、幅広い2次元測定で測定からデータ処理まで、よりシンプルかつフレキシブルに扱うことが可能となりました。
ESRの応用範囲は、ますます広がりをみせています。特に、次々と開発される新たな機能を持つ新素材の研究領域では、物性を支配している電子スピンの役割を調べるうえでESRの有用性が見直されてきました。弊社では、今後とも、技術革新のツールとしてお客様にご愛用いただけるESR装置を提供して参ります。

JES-X320 ESR装置

シーケンシャルモードによる連続温度可変測定(TEMPOL / Glycerol)
脚注:Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国、日本およびその他の国における登録商標です。