ESRによるビールの香味安定性評価のご紹介-その4-
ER170001

ビールの酸化を加温により促進させることで生成する活性酸素の度合いからビールの香味安定性を評価することができます。
今回は、複数の市販ビールのラグタイムを測定しました。測定したのは以下のビールです。
・プレミアムビール :3種類
・一般的なビール :7種類
・発砲酒 :3種類
・第三のビール :2種類
・第四のビール :2種類
ビールの開封時点で酸化劣化が始まることが考えられますので、ビールの開封から試料調整準備の時間を約20分に統一しました。ESRによるビールの香味安定性評価の詳細はアプリケーションノート (ER160002~4) をご参照ください。
ラグタイムとしては短いもので13分、長いもので約65分の結果が得られました。また、ビールの種別によるラグタイムの相違は顕著ではありませんが、同じ銘柄間の比較では製法の相違によりラグタイムが変化していることがわかりました。
ラグタイムの長いビールは、抗酸化作用が強いと考えられるため開封後も風味・香味が比較的長持ちすると考えられます (品質保持時間が長い)。他方、ラグタイムが短いビールであっても、製造されてから早めに消費することで、その風味・香味を楽しむことができると考えられます。

図1 各種ビールのラグタイムの比較
参考アプリケーション
- ER160002「ESR によるビールの香味安定性評価のご紹介-その1-」
- ER160003「ESRによるビールの香味安定性評価のご紹介-その2-」
- ER160004「ESRによるビールの香味安定性評価のご紹介-その3-」
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