材料のESR - 電気検出磁気共鳴 ② -
ER170008
EDMR測定方法
電極をつないだ試料を共振器(キャビティ)にセットし、通常のESR測定と同様にマイクロ波を照射しながら磁場を掃引します(図1)。EDMR測定は、一般に100mW以上の強力なマイクロ波パワーで行われます。このとき試料には、一定の電圧・電流が投入されています。共鳴が起きると試料の電気抵抗が変化しますので、これを電流変化として検出します。電流が流れる試料で、その電流が流れる原因が電子スピンの存在に起因するのであれば、原理的にはEDMR測定が可能です。その際、信号に誘導電流がかからないようにケーブルの配置を調整します。これは磁場中に配置したケーブルがループ回路を形成すると、ここを変調磁場が横切ることで誘導電流が生ずるためです。図2は整流ダイオードに電流を流した際に観測されたEMDR信号です。

図1. EDMRシステム

図2. ダイオードのEMDR信号
EDMR装置の主な仕様
♦ EDMRコントローラー
- 入力インピーダンス:
100 kΩ ~ 1GΩ (9種類) - バイアス出力電流:
0 ~ 100 μA - バイアス出力電圧:
CV(定電圧)、CC(定電流)モード; 0 ~ 1V or 0 ~ 10V
CRモード(定抵抗); 0 ~ 10V
♦ 専用セル
※EDMR測定用に80Hzの変調コイルが必要です。
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