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温度によるESR線形の変化

ER210002

TEMPOL溶液のESR信号の変化

TEMPOL (超純水とグリセリンの混合液で溶解) を用いて、温度可変装置 (ES-13060DVT5) にて、温度を変えながらESR測定を行いました。不対電子の近傍に14N (I = 1) が一つ存在しているため、3本 (2nI = 2 × 1 × 1 + 1 = 3) に分裂した ESR信号が観測されています (例えば、25°Cの信号)。図1より、温度によって信号の線形と強度が変化していることが分かります。溶液のESRスペクトルでは速い分子運動による等方的な線形が観測されます。一方、測定温度を下げることにより試料の粘性が上昇するとラジカルの運動が束縛されるため線形に非対称な相互作用 (g、Aなどの異方性テンソル)が現われます。各温度での ESRスペクトル形状からラジカルの運動性 (回転相関時間など) が推定されています1)

図1. 各温度によるTEMPOL の ESR 信号の線形の変化

図1. 各温度によるTEMPOLのESR信号の線形の変化

参考文献

1) Berliner J. L. (1976) : Spin Labeling : Theory and Applications (Molecular Biology Series, Vol 1), Academic Press, 608p.

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