光学顕微鏡で観察した繊維のSEM/EDSによる分析(アスベストCLEM法)
MP2020-02
一般的にアスベストの計数は、広い領域を短時間で観察できる光学顕微鏡で行いますが、光学顕微鏡では計数中に「これは本当にアスベスト?」と疑問に思った際、確認する術がありませんでした。ここでは、アスベストCLEM法により、光学顕微鏡で観察して疑問に思った繊維を、容易にSEMで分析した例を紹介します。
アモサイト分析例
光学顕微鏡 (LM、位相差顕微鏡) で観察した繊維 (図3) にマーキングし (図1)、SEMで同一繊維を観察しました (図2、図4)。 EDS分析によりアモサイトと同定しました。
図1 LM 位相差像
図2 SEM 二次電子像
図3 LM 位相差像 拡大
図4 SEM 二次電子像 拡大
クリソタイルに混在した繊維状物質の分析例
クリソタイルを捕集したフィルターの観察中に、クリソタイルでないと思われる繊維を発見しました (図5)。アスベストCLEM法によりSEM/EDSで同一繊維を観察、分析した結果、クリソタイルと思われる繊維はクリソタイル(図7)、クリソタイルではないと思われる繊維はアモサイト (図8)と同定しました。
このように異なる繊維が試料に混在していた際も、アスベストCLEM法を用いることで、繊維を判定することが可能です。
図5 光学顕微鏡 位相差像
図6 SEM 二次電子像
図7 ①クリソタイルと思われる繊維の分析結果
図8 ②クリソタイルではないと思われる繊維の分析結果
Sample: フィルターに捕集されたアスベスト
Imaging device: Nikon Ci, JEOL JSM-IT200
Imaging device: Nikon Ci, JEOL JSM-IT200
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