固体NMRにおける高分子構造解析
NM070012
NMRを用いたタンパク質等の高分子の構造解析は以前から行なわれておりましたが、近年では溶液NMRだけではなく、固体NMRを用いた解析も行われるようになってきました。
13C標識した試料を用いることにより、13C-13C間の距離相関が得られるDARR(Dipolar Assisted Rotational Resonance)法などを使用し、分子量の大きな試料の分子間・分子内構造を求めることができます。
アプリケーション例として、13C標識したバクテリオクロロフィルc(BChlc)を用いたDARRスペクトルを示します。Mixing Timeを変えることによって13C-13C間の距離情報を、標識率を変えることによって分子内相関なのか分子間相関なのかといった情報を得ることができます。
このように固体NMRと13C標識試料を用いることによって、分子内構造・分子間構造を確定させることできます。


試料:
100% Labeled BChlc (左上)
50% Labeled BChlc (右下)
装置:JNM-ECA600
プローブ :4mmCPMASプローブ
Mixing Time:200ms
Reference
Isotopic Replacement of Pigments and a Lipid in Chlorosomes from Chlorobium limicola: Characterization of the Resultant Chlorosomes
Y. Kakitani, K. Harada, T. Mizoguchi, and Y. Koyama, Biochemistry 46, 6513-6524 (2007)