No-D NMR Ver.5 版
NM110002
No-D NMRとは有機物のNMR測定を行う場合に、溶媒を重水素化溶媒で置換せずに軽溶媒のまま測定する方法です。弊社の最新のDelta NMRソフトウェアVer5ではこのNo-D NMR専用のオートメーションシーケンスが標準で搭載されています。Ver5版では従来のものに比べてよりわかりやすく、選択できる軽溶媒の数も増えており、様々な場面で活用が期待できます。
No-Dの特長
- 反応溶液をそのまま使用して測定ができるため、サンプル調製にかかる時間が大幅に短縮できます。
- 反応溶液をそのまま使用して測定ができるため、不安定な試料の分析についても適用できます。
- 重水素化溶媒にかかるコストが削減できます。
設定パラメータの簡略化と溶媒の選択
測定したいオートメーションシーケンスを選択すると、変更頻度の高いパラメータのみがmethodパラメータとして表示され最低限の設定のみを効率的に行うことができます。 wet_solvent:使用している軽溶媒 peaks: 軽溶媒のピーク数を設定すればすぐに測定可能です。また選択できる軽溶媒は標準で22種、さらに希望に応じて追加していただくことも可能です。
※他のパラメータは1つ下の階層に収納されています。
溶媒ピークの自動検出とreferenceの自動調整
No-Dのオートメーションでは1回積算の1H測定を行い、溶媒信号を探します。(scout scan)その後続けてWET測定を実行し、上記の1H測定で検出したピークを消去し、その溶媒信号でreferenceを設定します。そのため溶媒消去後のデータのreference合わせの手間を省くことができます。
ピークが複数ある溶媒を用いたNo-D NMR
WETシーケンスには1度に複数点の溶媒消去が可能であるという特長があります。そのため、複数のピークを持つ溶媒を選択した場合にもNo-D NMRを行うことが可能です。例えばメタノールではpeaksを2と入力し、2点のピークを消去します。
複数の溶媒を用いたNo-D NMR
上記と同様に、複数の溶媒で試料を溶かしている場合にもNo-D NMRを行うことが可能です。下記の例はアセトンと水を消去しています。
選択可能な軽溶媒リスト
acetic acid、acetone、acetonitrile、benzene、chloroform、cyclohexane、DMF、 DMSO、ethanol、hexafluoro-2-propanol、isopropanol、methanol、 methylene chloride、nitromethane、o-dichlorobenzene、p-dioxane、pyridine、 tetrachloroethane、tetrahydrofuran、toluene、trifluoroacetic acid、trifluoroethanol
※希望に応じて軽溶媒を追加していただくことが可能です。しかし、消去する溶媒ピーク の数が多い場合、近くのピークを消してしまうため実用的に使いづらくなります。