2JCHのみを選択可能な遠距離相関測定
NM140019
NMRの構造解析では、1H,13Cの相関測定が非常に重要で、1JCH相関はHMQCまたはHSQCを、2,3,4JCH相関はHMBCを測定して観測します。しかし構造 によっては2JCHと3JCHを区別するのが非常に困難な場合があります。そういった場合には、H2BCを測定し、HMBCと比較することで解決できます。また 本資料では特に、DEPT135°のようにCH3,CHとCH2の区別ができるH2BCeditの測定法を紹介します。
【H2BC_editのパルスシーケンス】
【測定試料 CAHE(硅皮酸-cis-3-ヘキセニルエステル)】
【H2BC editの測定結果(左図)、HMBCの測定結果(右図)】

H2BC editと、HMBCを比べると3J以上の遠距離相関が観測されないのでHMBCに比べて相関の数が少なくなり、解析が容易になっています。またCH2の13Cとの相関信号はそれ以外の13Cと比べて逆の位相で検出されるので区別できるようになっています。
注意点
H2BC法は2JCHであっても4級炭素との相関信号は検出できません。