固体NMRによる医薬品多形の識別
NM160001
異なった結晶形ではしばしば異なった物理的及び化学的性質を示します。そして形成する結晶形によって医薬品の生物活性に影響を及ぼす可能性があります。そのため結晶形の制御は製薬および医療用途において非常に重要です。結晶構造については溶媒に溶解してしまうと失われる情報ですが、試料をそのまま測定する固体NMRでは結晶多形を区別できる可能性があります。
インドメタシンは鎮痛、抗炎症作用のある一般的に知られている医薬品です。インドメタシンは結晶化条件に応じた様々な結晶形を形成することが知られています。
以下に結晶構造の異なる3種類のインドメタシンの溶液NMR、および固体NMRにおける13C NMRスペクトルを示します。溶液NMRでは差がみられませんが、粉末をそのまま測定する固体NMRでは、結晶形ごとに異なったスペクトルを得ることができ、各結晶形を識別することができます。

Indometacin

測定装置:JNM-ECZ500R, ROYALプローブ™, および 3.2mm XH MASプローブ
試料ご提供:千葉大学 東顕二郎先生
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(更新日: 2021/03/15)