H2BCと1,1-ADEQUATEの比較
NM160003
H2BCと1,1-ADEQUATEはいずれもCOSYやHMBCの組み合わせで相関信号の帰属が難しい場合に、 2JCHと3JCHの区別をつけるために使用する測定法です。同じ目的で使用されるこれらの測定法について、特徴と使い分けを紹介します。

4-Methylumbelliferone
4-Methylumbelliferoneのように4級炭素が多い試料の場合、H2BCは高感度な測定法である一方、4級炭素との相関が得られないため限られた相関信号しか得られません。こういった試料では1,1-ADEQUATEを利用することで測定時間はかかりますが、より多くの相関を得ることができます。
1,1-ADEQUATEでは化学構造に応じて1JCCを最適化する必要があります。
【H2BC】
- 2JCHの相関のみが観測される
- 1,1-ADEQUATEより高感度
- 4級炭素との相関は観測されない
- 測定条件がデフォルトでも問題なく測定が可能

H2BC 4scans (25分)
【1,1-ADEQUATE】
- 1JCH, 2JCHの相関が観測される
- H2BCより低感度
- 4級炭素との相関も観測される
- 測定条件(1JCCの値)によっては相関信号が見えなくなってしまう恐れがある

1,1-ADEQUATE 48scans (7時間)
使用装置: NM-ECZ400S, ROYALプローブ™ 試料: 100mg 4-Methylumbelliferone in DMSO-d6
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(更新日: 2021/03/16)