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NMR装置のメンテナンスに役に立つ3D シミング

NM170004

従来X軸、Y軸のシム調整についてはオペレーターがマニュアルでシム調整を行っていましたが、 NMR測定、解析用ソフトウェア Deltaにその作業を自動化できる3Dシミングの機能が実装されました。

NMRで使用する超電導磁石の磁場は時間とともに少しずつ磁場が変化しています。そのためNMRできれいなスペクトルを得るためにはシムコイルに流す電流量を調整し、空間の磁場補正を行う作業(以下シム調整)が必要です。
シム項には静磁場と並行方向のZ軸、および静磁場と垂直方向のX軸,Y軸があります。試料毎にシム調整が必要なZ軸の磁場補正は、グラジエントシミングという手法により数十秒から長くても数分で行うことができます。一方、 時間経過とともに少しずつずれていくX軸、Y軸の磁場補正は熟練のオペレーターが2H信号を確認しながら数時間をかけてシム調整する必要がありました。
もしX軸、Y軸の磁場が不均一なまま測定を行うと、試料回転時にはスピニングサイドバンドと呼ばれる不要信号が大きく現れ、微量成分の定量測定をしようとすると、微量信号と重なってしまい解析を困難にしてしまいます。 かといって試料回転を止めて測定すると著しく分解能と感度の低下したスペクトルが得られます。 この時LOCK信号も小さくなってしまうためLOCKがかかりづらくなってしまいます。

誰でもX軸,Y軸のシム調整が可能な3D シミング

3Dシミングの機能を用いることでマニュアルでのシム調整をすることなく、迅速にX軸、Y軸のシム調整が可能になります。図はno spin時の3Dシミング前後の線形と感度の比較です。3Dシミング前には確認することが難しかったメイン信号の13Cサテライト信号がシミング後ではっきりと出現し(下図中の赤矢印)、3Dシミングにより分解能が大幅に改善がされたことが分かります。

図: no spin時のCHCl3の1Hスペクトル (左)3Dシミング前 (右): 3Dシミング後
図: no spin時のCHCl31Hスペクトル (左)3Dシミング前 (右): 3Dシミング後

3D シミングに使用できる溶媒について

3Dシミングではシム調整に使用する信号の種類についてChloroform-d, Acetone-d6, D2Oなどの溶媒が選択できますので、お持ちの標準試料で定期的に3DシミングをかけていただくことでX,Y軸のシムを適切な値に保ってNMR装置をお使いいただくことが可能です。

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