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ミクロ試料管を使用する場合のグラジエントシム条件

NM190014

対称形ミクロ試料管を用いて測定する場合、通常のグラジエントシミング条件のままだと分解能が上がりません。適切な条件を設定する方法をご紹介します。

試料の液量を減らしたい場合、対称形ミクロ試料管 (シゲミ社製) を用います。 ミクロ試料管には溶媒と同じ磁化率のガラスが使われています。 そのため、このガラスの分だけ液量を減らすことができます。 ガラス部分からは1H信号も2H信号も得られないので、グラジエントシム条件のRangeをデフォルト値のままシム調整すると、ガラス部分も含まれるため分解能が上がりません。 そこで、Range設定を通常より狭くする必要があります。

グラジエントシム条件の設定はGradient Shim Tool で行います。 Gradient Shim Toolは、[分光計コントロール]ウインドウの[マニュアル制御]パネルにある[Gradient Shim Tool]ボタンをクリックして開きます。

Gradient Shim Toolで、「シム」はZ1のみ選択し、「反復回数」は1に設定します。 [シミング開始]ボタンをクリックしてグラジエントシミングを実行します。

Gradient Shim Tool

シミング開始後、[分光計コントロール]ウインドウの[モニタ]タブで[積算途中のデータの確認]ボタンを押して、グラジエントシミングのデータを確認します。 プロセスリスト処理を実行してFIDをスペクトルに変換し、さらに絶対値処理を行って絶対値スペクトルにします。

マウス右ボタンメニュー (ポップアップメニュー) で[単位の選択]−[Percent]を選択して、横軸を%表示にします。

[分光計コントロール]ウインドウの[モニタ]タブ

[Cursor]モードで、最大信号強度の約80%を目安に、横軸の範囲を確認します。

[分光計コントロール]ウインドウの[モニタ]タブ

確認した範囲をGradient Shim Toolの「Range」に入力すれば、Range設定は完了です。 Rangeは、ぎりぎりまで広くせずに少し狭く設定することをお勧めします。 この例の場合ならば、30%~70%でも全く問題ありません。
「シム」のZ1~Z6を選択し、「反復回数」は「自動収束」を選択します。 [シミング開始]ボタンをクリックしてシミングを実行します。 シミングで値が発散するようであれば、Z1~Z4で実行してください。

Gradient Shim Tool

なお、ミクロ試料管に試料を入れる際には気泡が入り易いので注意が必要です。 気泡があると、その部分で試料の局所的な磁化率が大きく異なるため、グラジエントシムで補正することが困難になります。 また、揮発性の高い溶媒の場合は、試料調製時に問題が無くても、測定中に揮発して液量が減り、気泡となることがあります。 そのような溶媒を用いる場合は、揮発分を加味して試料調製をします。 右図のように少し多めの液量にすると、測定中の液量減少による分解能低下を防ぐことができます。

揮発性の高い溶媒の場合の液量
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