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Pure shift DOSY: 複雑なカップリングパターンの混合試料を解析する

NM190018

DOSY法は混合物分析に有効な測定手法です。 この手法ではX軸は化学シフト、Y軸は自己拡散係数の二次元スペクトルになり、それぞれの信号は自己拡散係数ごとにY軸上で分離されます。ただし1H信号がカップリングによって分裂し、互いに複雑に重なってしまうと、DOSYによって適切に分離処理が行われなくなる場合があります。図1はL-mentholとR-(+)-limoneneの混合試料の1Hスペクトルです。この混合試料は特に1.3ppm~2.2ppm付近が複雑にカップリングしている信号が密集しており、そのままでは解析が困難です。このような試料に対してはPure shift法を用いることで信号の重なりを低減させ、解析を容易にすることが可能です。図2は1.3~2.2ppmの範囲の1H(上段)とPSYCHEと呼ばれるPure shiftスペクトル(下段)の比較になります。PSYCHEでは明らかに信号の重なりが解消されています。
Pure shift DOSYはPure shift法とDOSY法を組み合わせた測定法であり、複雑なカップリングパターンを持つ混合試料の解析に有効な測定法です。
図3の左が同試料のPure shift DOSYスペクトル、右が各成分の1Dスライススペクトルになります。この結果より各成分の信号を明確に分離できていることがわかります。

L-mentholとR-(+)-limoneneの混合試料の1Hスペクトル
図1: L-mentholとR-(+)-limoneneの混合試料の1Hスペクトル
1HとPSYCHEの比較スペクトル(1.3ppm~2.2ppmの拡大図)
図2: 1HとPSYCHEの比較スペクトル(1.3ppm~2.2ppmの拡大図)
混合試料のDOSYスペクトル
図3: 混合試料のDOSYスペクトル
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