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チタン酸リチウム負極のLi吸蔵状態解析:高分解能Li固体NMRスペクトルを得るには?

NM200001

スピネル型チタン酸リチウム (LTO) を負極材として用いたリチウムイオン2次電池は、その安定な構造から、安全性、サイクル特性に優れ、すでに実用化されております。LTOでの反応は以下の式で表すことができます。
(Li3)8a(LiTi5)16dO12 + 3Li+ + 3e- ←→ (Li6)16c(LiTi5)16dO12

Liの吸蔵状態を解析するには、8a、16d, 16cの3サイトを区別することが望まれますが、特に8aと16dサイトの化学シフト差は非常に小さく、感度が良く一般的に用いられる7Li固体NMRスペクトルでは、線幅が広く一本の信号しか確認できません。(Fig.1a)

6Li MAS NMR

NMRで観測できるLi原子には6Liもあります。7Liに比べ感度は低く1/30程度しかありませんが、四極子相互作用が小さく、また同種核間の双極子相互作用も小さいため、7Liに比べ細い線幅のスペクトルが得られます。Fig.1bに示すように、6Li固体NMRスペクトルでは8a、16dを区別して観測することができます。測定に時間はかかりますが、3.2mm径などの一般的な固体NMR試料管で~20kHz程度の回転周波数でスペクトルを取得できます。

6Li

7Li

Natural abundance / %

7

93

Spin

1 3/2

Magnetic ratio / rad s-1 T-1

3.94 x 107

10.4 x 107

Quadrupole moment

-8 x 10-4

-4 x 10-2

試料は産業技術総合研究所 橘田晃宜博士にご提供いただきました。

本資料のスペクトルの一部は、以下論文に使用されています。
M. Kitta, T. Kojima, R. Kataoka, K. Yazawa, and K. Tada ACS Appl. Mater. Interfaces 2020, 12, 8, 9322-9331

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