Cryo-SEMによるパン酵母の観察
SM063
Cryo-SEMは含水試料を凍結状態でSEM観察する装置でバイオ、医薬、化粧品および食品などに幅広く応用されている。
本装置は試料の割断、エッチング(氷の昇華)や導電性コーティングを行う試料前処理室とSEM観察用冷却ステージから構成されている。双方の試料ステージは液体窒素で冷却されており、ヒーターによる温度コントロールも可能(エッチングなどのため)である。大気中でスラッシュ窒素などで急速凍結された含水試料を凍結状態を保ったまま観察を行うことができる。応用例としてパン酵母の観察例を示す。
本装置は試料の割断、エッチング(氷の昇華)や導電性コーティングを行う試料前処理室とSEM観察用冷却ステージから構成されている。双方の試料ステージは液体窒素で冷却されており、ヒーターによる温度コントロールも可能(エッチングなどのため)である。大気中でスラッシュ窒素などで急速凍結された含水試料を凍結状態を保ったまま観察を行うことができる。応用例としてパン酵母の観察例を示す。
パン酵母の観察
試料は、ドライイーストを水で戻したものを使用した。これをスラッシュ窒素で急速凍結し、エアロックを通してCryo-SEMの試料前処理室で凍結割断後、-90℃で5分エッチングを行い、白金コーティングを施して観察を行った。 SEM本体はショットキー電界放出形走査顕微鏡を使用することで、1.5kVという低加速電圧で高倍率画像を得ることができる。×3,000では酵母の表面および断面が露出している様子が観察できた(左図)。また、低加速電圧で割断面を×30,000まで拡大することで、微細な核膜孔も鮮明に観察できた(右図)。

加速電圧:1.5 kV倍率:×3,000

加速電圧:1.5 kV倍率:×30,000
矢印部:核膜孔
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