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医薬成分有機化合物の分子構造解析

ED2022-07

XtaLAB Synergy-ED および日本電子装置による医薬成分の分子構造解析

XtaLAB Synergy-EDは、微小結晶の電子回折図形の取得に最適化された電子回折装置です。医薬成分試薬などの粉末試料を、そのままの状態で分子構造解析を行うことが可能です。さらに日本電子の質量分析計 (MS) および核磁気共鳴装置 (NMR) による精密な化学構造分析と組み合わせることで、サブミクロン結晶のより最良な分子構造解析が可能です。

医薬成分粉末の電子回折構造解析

XtaLAB Synergy-EDは、粉末試料も試料調整なしでそのまま電子回折測定可能です。試料の観察と電子回折測定は、3D ED/MicroED用ソフトウェア「CrysAlisPro for ED」で容易に進めることができます。上図は、医薬成分試薬の粉末をそのまま電子回折測定し、分子構造解析を行った結果です。結晶性の良い粒子については、数分で測定することができます。真空環境や電子線による熱の影響を受けやすい試料については、クライオトランスファーホルダーを使用することで、同様に分析することが可能です。

Voriconazole粉末試料のNMR分析結果を用いた分子構造精密化

JNM-ECZL 500R によるVoriconazoleの溶液13C NMR スペクトル

電子回折結果は、SHELXLなどの精密化プログラムを用いて、最小二乗法による座標精密化から分子構造解析を行うことが可能です。その際、ユーザーが分子をモデリングすることで、最小二乗法による極小値 (local minimum) を回避しながら最小値 (global minimum) である正しい分子構造を得ることができます。この過程において、NMR分析結果はより正しいモデルを提供し、電子回折結果を最適に構造精密化することが可能です。
左図は、Voriconazoleの溶液13C NMR測定結果です。フッ素を含む化合物の分析については、HFを1H および19F のデュアルチューンに切り替えることができるROYALプローブ™ HFXによる分析が有効です。Voriconazoleはフッ素を3つ含むため、1Hと19Fをデカップリングした13C NMR測定が重要です。
上図中央は、NMR分析結果から得られたVoriconazole分子の化学構造です。
この構造を電子回折で得られた初期構造へ適用することで、構造精密化を効果的に進めることが可能です。

Reserpine粉末試料の分子構造解析

左上 : JMS-S3000 SpiralTOF™-plus 2.0, 精密質量分析結果およびMS/MSスペクトル
左下 : JNM-ECZL 500R, edited1H-13C HSQCスペクトル

Reserpineの電子回折結果から得られる初期構造は、MSおよびNMR結果を用いてより最適に構造精密化することが可能です。左上図は、Reserpineの精密質量分析結果とMS/MSスペクトルです。左下図ReserpineのNMR分析結果と相補的に解析することで、複雑な分子についてもより正確に解析することができ、正しいモデルを提供できます。MSおよびNMR解析結果から得られた分子モデルを電子回折結果の初期構造へ適用することで、最終的なReserpine分子構造が得られます。

 

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