ESR 測定条件**掃引時間と時定数**
ER220004
掃引時間と時定数の関係
掃引時間と時定数の設定はバランスが大切で、不適切な組み合わせを選択すると見かけの分解能が低下したり、感度が下がったりすることもあります。図 1 は、ペリレンの測定で掃引時間 8 min に固定した条件で時定数を変えて測定した結果を示しています。短い時定数では細かい信号まで捉えることができますが、同時にノイズの影響も強く受けます。長い時定数では、追随できなくなり、なまったような信号が検出されます。S/N 面では時定数は大きいほどよく、信号応答性では時定数は小さい方がよい結果を与えます。そのため、試料の ESR 信号に対して適切な時定数を選択する必要があります。 その際、式 (1) が目安となることが知られています。実際に、ペリレンのデータにて計算すると、時定数 τ は 0.075 s となりますので、0.03 sでの測定はこの条件をクリアしています。