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分析結果の信頼性のキーワード「トレーサビリティ」って?

Issue 5

トレーサビリティ

「トレーサビリティ」という言葉、テレビなどのメディアで聞く言葉です。
トレーサビリティをインターネットで検索すると、たくさん確認することができますが、多くは食品に関するものだと思います。安全・安心に関する言葉として、トレーサビリティは生産者情報などを追跡でいる仕組みです。消費者が自分の口に入るものを生産者まで遡ることができるので、信頼性の拠り所の1つと考えることができます。一方、分析化学の世界でもこのトレーサビリティの概念は存在します。食品のトレーサビリティと区別するために、計量トレーサビリティといわれてます。

計量トレーサビリティ

食品の信頼性の拠り所は「生産者」です。では分析化学の拠り所はなんでしょうか?
それは「標準」です。イメージしやすいのは重さの標準かもしれません。
1kgの重さは世界中どこで量っても1kgになるように、分銅を使って天びんが校正されています。この分銅は重さの標準であり、その元は重さの標準 (キログラム原器) です。重さの標準との比較を何段階か経て、私たちの身近にある分銅となりますが、その分銅で校正された天びんで得られた結果は重さの標準にトレーサブルな結果となり、信頼性の確保を実現します。
定量NMRの場合、分析で使用する定量用標準物質が分銅に相当します。定量用標準物質が参照標準 (多くが国家標準) に切れ目のない連鎖でつながることでトレーサビリティは確保されます。それを使用した分析結果はトレーサブルな結果となります。最近では国家標準物質と同等の定量NMR用標準物質が整備されており、定量NMRの分析結果にトレーサビリティを確保することは難しくない状況となっています。なお、トレーサビリティを確保する定量NMRを実施する場合には、適切なサンプル調製や測定条件を考慮する必要があります。

 

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