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さあ、定量NMRをやってみよう!(1)

Issue 8

定量NMRをはじめる前に

定量NMRを実際に行う前に測定準備として、いくつか確認しておく点があります。
それは、1)定量測定方法の選択(内標準法か外標準法)2)測定が可能なサンプル調製条件 (溶媒と定量用基準物質の選択、安定性確認) が決まっている事、3)1H-NMRスペクトル上で定量目的の信号が確認できていることです。
この中で定量測定方法の選択について簡単に紹介します。
内標準法は定量用基準物質を分析対象物と同じ溶液として調製します。
外標準法は定量用基準物質と分析対象物を別々に調製します。どちらを選ぶかのポイントは分析で優先したいことが精度かサンプルかで考えることができます。
精度を重視したい場合は内標準法がお薦めです。一方、貴重な分析対象物であれば外標準法がお薦めです。

 

内標準と外標準法

定量NMRの分析スキーム

内標準法、外標準法いずれも、試料調製 → NMR測定 → 解析 という3ステップで分析は行われます。

 

qNMR分析フローチャート

 

各ポイントを示します。

内標準法の操作手順例

内標準法の操作手順

 

試料調製:使用する天秤の精度を確認して定量用基準物質と分析対象物を精密にはかります。同じロットで3検体作成することをお薦めします。
NMR測定:定量用に最適化した条件で1H測定を行います。注意するパラメータの1つはパルス繰り返し時間の設定です。T1(縦緩和時間)を元に充分に長い繰り返し時間を設定します。qNMRサンプルは一般的に3回測定します。
解析:FIDをスペクトルする際に、いくつかの処理は自動で行うことができますが、必ず目視で確認することをお薦めします。

外標準法の操作手順例

 外標準法の操作手順

 

試料調製:使用する天秤の精度を確認して、定量用基準物質と分析対象物を別々に精密にはかります。この際、定量用基準物質のモル濃度は精確な値が必要です。
NMR測定:定量用条件で測定をしますが、基準溶液と分析試料溶液のスペクトル間の比較を行うため、温度、パルス幅測定などのキャリブレーションが必要です。
解析:内標準法と同様に処理後の目視は必要です。計算する際、各qNMRサンプルの測定パラメータによっては、校正ファクタを考慮して計算しなければなりません。

定量NMR自動分析システム "qNMR seamless" 

定量NMRは得られたNMRスペクトルの定量情報とサンプル情報を使った計算により純度や濃度を算出する解析が必須です。定量NMRでは複数のサンプルを調製し複数の繰り返し測定を行って結果を評価されていることが多く、一度に多くの解析をする場面が度々あります。FIDのデータ処理→計算→レポート作成というステップはその一つ一つが細かく必要で、データ数が多くなればなるほど解析のハードルが高くなります。なんとかならないだろうか??という思いで、測定の開始ボタンを押したらあとは出てくるレポート確認するだけ・・という定量NMR自動分析システム "qNMR seamless"をMestrelab社と共同開発しました。
詳細は近日中にHPなどでご紹介する予定です。

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