新型ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡 JSM-F100を販売開始 — 高分解能と操作性を両立した The next level of analytical intelligence in FE-SEM —
公開日: 2019/08/05
日本電子株式会社 (代表取締役社長兼COO 大井 泉) は、新型ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡 JSM-F100を開発し、2019年8月より販売を開始しました。
開発の背景
走査電子顕微鏡 (SEM) はナノテクノロジー、金属、半導体、セラミックスや医学・生物学の分野など、様々な分野で活用され、益々その用途を広げています。また、使用される目的も基礎研究から製造現場、品質管理まで幅広くなっています。それに応じて、より早く高画質データを取得したい、分析を意識しないでより楽に組成情報を確認したいという需要が高まっています。
JSM-F100は、定評のあるインレンズショットキーPlus 電界放出形電子銃と電子光学系Neo Engineに加えて、新開発の操作GUI『SEM Center』とAI (人工知能) を応用した『LIVE-AIフィルター』を搭載し、高空間分解能観察と操作性の両立を実現しました。さらに自社製エネルギー分散形X線分析装置 (EDS) を標準搭載し、SEM Centerとフルインテグレーションすることにより、観察から元素分析までより楽にNonstopでデータを取得できます。高性能と使いやすさを進化・融合させたことにより作業効率50%以上の向上を実現し、日々の測定をハイスループット化します。
主な特長
- インレンズショットキーPlus 電界放出電子銃
電子銃と低収差コンデンサーレンズの融合により高輝度化を実現。低加速電圧でも十分な照射電流が得られ、高分解能観察から高速度元素マッピング分析まで行えます。 - ハイブリッドレンズ (HL)
電磁場重畳型対物レンズ"ハイブリッドレンズ (HL)"を搭載、磁性体材料から絶縁体試料まで、あらゆるサンプルを高空間分解能で観察・分析することができます。 - Neo Engine (New Electron Optical Engine)
Neo Engineは最新の電子光学系制御システムです。自動機能の精度が大幅に向上、操作性が格段に良くなりました。 - 新機能 SEM Center ・EDSインテグレーション
新開発の操作GUI「SEM Center」とEDS分析をフルインテグレーションし、次世代の操作性を実現しました。操作性が良いだけでなく、FE-SEMならではの高分解能画像も得られます。 - 新機能 Zeromag機能
光学像とSEM像をシームレスにつなぐ「Zeromag」の搭載により、素早く快適な視野探しが可能になりました。 - 新機能 LIVE-AIフィルター (Live Image Visual Enhancer-AI)
ライブ像をみやすくする新開発のLIVE-AI (人工知能) フィルターを搭載しました。積算処理と異なり残像がなく追従性の良いライブ像を表示できるため視野探しやフォーカス、非点の調整に非常に有効なフィルターです。 (本機能はオプションです。)
主な仕様
分解能 (1 kV) | 1.3 nm |
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分解能 (20 kV) | 0.9 nm |
加速電圧 | 0.01 - 30 kV |
標準検出器 | 上方検出器 (UED)、二次電子検出器 (SED) |
電子銃 | インレンズショットキーPlus 電界放出電子銃 |
照射電流 | 数 pA - 300 nA (30 kV) 数 pA - 100 nA (5 kV) |
対物レンズ | ハイブリッドレンズ (HL) |
試料ステージ | フルユーセントリックゴニオメーターステージ |
試料移動 | X: 70 mm Y: 50 mm Z: 2 ~ 41 mm 傾斜: -5 ~ 70° 回転: 360° |
EDS検出器 | エネルギー分解能:133 eV 以下 検出可能元素:B ~ U 検出素子面積:60 mm2 |

本体標準価格
71,000,000円~
販売予定台数
60台/年間