高精度と高分解能を実現したFIB-SEM システム「JIB-PS500i」を販売開始
公開日: 2023/02/01
日本電子株式会社 (代表取締役社長兼CEO 大井 泉) は、2月1日よりFIB-SEMシステム「JIB-PS500i」を販売します。
先端材料の構造微細化やプロセスの複雑化に伴い、形態観察や元素分析などの評価技術にも高い分解能と精度が求められています。半導体業界をはじめ、電池・材料分野での透過電子顕微鏡 (TEM) 用試料作製においては、"高精度"且つ"より薄く"が要求されます。
本製品は、このニーズに応えるために高精度で加工できるFIB (集束イオンビーム加工装置) と高分解能を有するSEM (走査電子顕微鏡) の複合システムです。
主な特長
FIB鏡筒は、最大電流100nAのGaイオンビーム照射ができます。大電流での加工は、特に広領域の観察・分析に必要な断面試料作製に威力を発揮します。また、短ワーキングディスタンス化と新開発の電源により低加速仕上げ加工時の性能も向上しました。
SEM鏡筒は、新開発のスーパーコニカルレンズシステムを搭載したことにより低加速電圧時の像分解能が大きく向上しました。コントラストの良い鮮明なSEM像が取得でき、薄片加工終点を見逃しません。
大型チャンバーおよび新開発の試料ステージを採用し、可動範囲を増やしたことで、 大きな試料にも対応できます。また、ステージの傾斜角を90度傾けて使用できるSTEM検出器を新規開発し、TEM試料作製からSTEM観察までシームレスに実行することができます。
操作GUIは高分解能走査電子顕微鏡JSM-IT800シリーズで好評を頂いているSEM centerを搭載し、EDS分析フルインテグレーションを可能としました。
二軸傾斜カートリッジと専用TEMホルダーにより、TEM-FIB間の試料搬送をより容易にしながら、高精度な方位合わせを可能にしました。
主な仕様
FIB
像分解能 | 3 nm (30 kV 時) |
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倍率 | ×50 〜 ×300,000 |
加速電圧 | 0.5 〜30 kV |
ビーム電流 | 1.0 pA 〜100 nA |
イオン源 | Ga 液体金属イオン源 |
加工形状 | 矩形、円、多角形、点、線、ビットマップ図形 |
SEM
像分解能 | 0.7 nm (15 kV)、1.4 nm (1 kV) 1.0 nm (1 kV、BD モード) |
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倍率 | ×10 〜 ×1,000,000 (128 mm × 96 mm 写真サイズ表示時) |
入射電圧 | 0.01 〜30 kV |
ビーム電流 | 約1 pA〜500 nA以上 |
電子銃 | インレンズショットキーPlus 電界放出電子銃 |
対物レンズ | スーパーコニカルレンズ |
標準検出器 | 二次電子検出器 (SED)、 上方電子検出器 (UED)、 インレンズ反射電子検出器 (iBED) |
試料ステージ
試料移動範囲 | X:130 mm |
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Y:130 mm | |
Z:1.0 mm 〜40 mm | |
T:- 40.0 〜93.0° | |
R:360° |

本体標準価格
220,000,000円~ (税込)
販売予想台数
50台以上/年