Close Btn

Select Your Regional site

Close

JMS-S3000 NewSpiralTOF™
MALDI-TOFMS

特長

※上のボックス内の再生ボタンをクリックするとムービーが始まります (約4分) 

MALDI-TOFMSで低分子も見えることをご存じですか?

低分子も"見える"MALDI-TOFMS

MALDI (マトリックス支援レーザー脱離イオン化)  法は発明の背景から、タンパク質や合成ポリマーなど高分子化合物の分析に 強みをもつ手法として知られてきました。しかし実際には、分子量100以下の低分子から分子量10万を超える高分子までイオン化 が可能な、汎用性の高いイオン化法です。SpiralTOFで取得したマススペクトルは、低質量域のケミカルノイズが少ないため、低分子化合物の精密質量測定が高感度に行えます。一般的なMALDI ーリフレクトロンTOFMS では、マトリックスのクラスターイオンがポストソース分解 (PSD) して生成したイオンの一部が検出器まで到達し、低質量域のケミカルノイズとなります。SpiralTOFイオン光学系は扇形電場から構成され、PSDの結果生ずる、運動エネルギーの低いイオンは通過できないため、得られるマススペクトルの 低質量域にはケミカルノイズが殆ど存在しません。

dl- メチルエフェドリン塩酸塩20 mgを含む総合感冒薬を摂取したボランティアの、摂取6時間後の尿を固相抽出カートリッジを用いた簡易的脱塩処理の後、測定しました。SpiralTOFの高質量分解能、低ケミカルノイズにより、メチルエフェドリンのプロトン付加分子 [M+H]+ が明確に検出され、その質量測定誤差は0.0003 u (1.7 ppm) でした。

 

分解能・精度・感度 そのすべてを、この一台で

特長1: 超高質量分解能・超高質量精度

大阪大学大学院理学研究科が開発したMULTUM II イオン光学系に基づくJEOL 独自のSpiralTOFイオン光学系により、コンパクトな筐体の中で17 mの飛行距離と高いイオン透過率を実現しました。
MALDI-TOFMSとしては極めて高い仕様値、質量分解能:75,000、質量精度:1 ppm (内部標準法) を保証します。

ACTH fragment 18-39 R > 80,000

特長2: 誰でも簡単に良質なデータ

長い飛行距離は、理想に近い条件下で規定された仕様値だけでなく、実用的な使用状況下における高い質量分解能と質量精度を実現します。ターゲットプレート上のマトリックス結晶の状態、マスイメージング試料の表面状態などが質量分解能、質量精度に与える影響は、飛行距離が長いほど少なくなります。

同じ試料でもマトリックス結晶の凹凸により飛行時間の差が発生する

特長3: 長い飛行距離でも高感度

同じ質量をもつイオン群 (イオンパケット) は、らせん軌道の1階層毎に収束されるため、高い質量分解能・質量精度と同時に高いイオン透過率も実現します。

NewSpiralTOFTMの飛行距離= 17 m、1階層ごとに収束されるため、検出面でイオンパケットが広がらない

特長4: 低ケミカルノイズにより低質量化合物の分析を実現

SpiralTOF イオン光学系は扇形電場から構成されています。扇形電場は一定の範囲の運動エネルギーを持ったイオンのみが通過できるエネルギーフィルターなので、ポストソース分解の結果生じるフラグメントイオンは通過することができません。このため低質量域のケミカルノイズが殆ど存在しません。

NewSpiralTOF™ 高速マスイメージング×高質量分解能

MALDI マスイメージング (MALDI-MSI) は、生体組織切片などの試料にマトリックスを均一に塗布した後、MALDI-TOFMS へ導 入し、試料表面をレーザーで走査して、各地点の成分を質量分析することで、特定の分子が「どこに」「どのくらい」存在するか を可視化する技術です。

高質量分解能が、イメージの正確さを決める

SpiralTOFの17 mという長い飛行距離により、表面状態が均一ではない生体試料切片のイメージング測定においても高い質量分解能が得られます。マウスの脳の半分、およそ5 x 7 mmの領域の平均マススペクトルにおいても約40,000の質量分解能が得られており、ホスファチジルコリン (PC)、ホスファチジルエタノールアミン (PE)、ガラクトシルセラミド (GalCer) などの脂質種の同重体を分離して、それぞれの正しい局在情報を得ることができました。

m/z 値の差が小さなピークの分離とFINE-AI Filter で処理されたマスイメージ

PE: Phosphatidyl ethanolamine, PC: Phosphatidyl Choline, GalCer: Galactosylceramide
本分析は、大阪大学大学院理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター先端質量分析学研究グループとの共同研究の成果です。
組織切片は、大阪大学大学院工学研究科環境エネルギー工学専攻 粟津研究室より提供いただきました。

AI (機械学習) による画質改善

日本電子は電子顕微鏡のパイオニアとして常に新しい画像処理技術に挑戦してきました。走査電子顕微鏡 (SEM) のために開発された、AI (機械学習) を用いた画質改善技術LIVE-AI (Live Image Visual Enhancer-AI) をマスイメージングデータ処理に最適化して FINE-AI Filterとして実装し、マスイメージの画質の大幅向上を実現しました。

 

複雑な分布から特徴成分を自動抽出

SpiralTOFの高質量分解能によりマウスの脳切片から100種を超える脂質を検出することができましたが、これらの脂質それぞれ の分布について個別に考察することは現実的ではありません。統計的手法により同時に増減している成分を見出して情報を集約する必要があります。

頂点成分分析 (Vertex Component Analysis; VCA) は、マスイメージングデータ中の全てのマススペクトルが、少数の「頂点成分」の混合によって説明できる、という仮定に基づいて解析する手法です。主成分分析などの他の統計解析手法と比べて解釈し易い データが短時間で得られるという特長を持ちますが、一方でデータ中のノイズの影響を受け易いという欠点がありました。FINEAI Filterでノイズを低減してからVCAを行うことにより、マウス脳中の脂質を特徴付ける3つの頂点成分 (Phase 1 – 3) を見出すことができました。

 

左からPhase1〜4の画像、一番右に1〜4の重ね書きの画像

JMS-S3000 NewSpiralTOF™ マスイメージングシステム (オプション)

マスイメージング測定では、試料表面上でレーザー照射位置を走査し、マススペクトルを順次得ます。
このデータを解析することで、特定化合物の試料表面上の局在情報を可視化することができます。

TOF/TOF オプション

第一MSにSpiralTOFイオン光学系を採用することで、高いプリカーサーイオン選択能を実現し、プリカーサーイオンのモノアイソトピックピークを適切に選択可能です。高エネルギー衝突誘起解離 (HE-CID) により、構造情報を豊富に含んだプロダクト イオンマススペクトルを得ることが可能です。JEOL の独自技術であるオフセットパラボリックリフレクトロンにより、m/z 5からプリカーサーイオンまで、すべてのプロダクトイオン情報を同時に取得し、信頼性の高い構造情報を得ることが可能です。

レセルピンは過去に高血圧の治療薬として使用されたことがある医薬品ですが、光安定性が低く、その溶液を室内光下で放置するだけで光分解します。分解生成物はレセルピンよりも分子量が2 Da低く、その精密質量から、レセルピン分子から水素原子が2 個失われたものと推測されます。SpiralTOF TOF-TOF オプションの高いプリカーサーイオン選択性により、レセルピンと、その光分解物の混合物からそれぞれのプロダクトイオンマススペクトルを得て、その構造を解析することができました。

リニアTOF オプション

リニアTOFオプションでは、イオンはイオン源から直線的に飛行・検出されます。イオンが飛行中にポストソース分解 (PSD) を起こした場合、生成したイオンや中性粒子 は開裂前と同じ速度で飛行・検出されるため、Linearモードのマススペクトル上ではPSDイオンは開裂前のイオンと同じ信号として検出されます。そのため、LinearモードのマススペクトルはPSDを起こし易い高質量なサンプルを高感度で測定可能です。SpiralモードとLinearモードを補完的に使用することで、測定できる試料の幅がさらに広がります。

分子量が100 kDaを超えるポリマーの分子量分布、分子量約150 kDaの糖タンパク質である免疫グロブリンG (IgG) の分子量を容易に確認することが可能です。

Poly(styrene) 40 K、100 K、および200 Kのマススペクトル
免疫グロブリンG (IgG) のマススペクトル

The 3D structure of IgG (PDB ID: 1IGY) based on L.J. Harris, et al., J Mol Biology, 275: 861-872 (1998), by using Mol* Viewer, D. Sehnal, et al., Nucleic Acids Research 49: W431-W437 (2021), available on RCSB PDB (RCSB.org), H.M. Berman, et al., Nucleic Acids Research 28: 235-242 (2000)

NewSpiralTOF™ ライフサイエンスアプリケーション

高質量精度ペプチドマスフィンガープリンティングによるタンパク質の同定 (MSTips No.166)

ペプチドマスフィンガープリンティングはタンパク質同定の最も基本的な手法です。SpiralTOF の高分解能・高質量精度・高感度 により、擬陽性が少なく信頼度の高いタンパク質同定が可能です。

 

BSA トリプシン消化物標準品 (500 amol相当) のマススペクトル

SpiralTOFによるタンパク質の高分解能測定 (MSTips No. 297)

SpiralTOFの高分解能・高感度により、ユビキチンのプロトン付加分子 [M+H]+ を高い分解能で測定することができました。

 

インソース分解 (ISD) 法によるタンパク質のシーケンス確認 (MSTips No. 229)

遺伝子組み換えタンパク質などの迅速なシーケンス確認にはインソース分解 (ISD) 法が有効です。MASCOT Server (Top Downオプションを含む) と併用することで、ミオグロビン (馬) のシーケンスが確認できました。

 

卵黄由来のリン脂質の構造解析 (MSTips No. 185)

NewSpiralTOF™ + TOF-TOF オプションの、高いプリカーサーイオン選択性と高エネルギー衝突誘起解離 (HE-CID) により卵黄から抽出したリン脂質混合物成分の構造を解析することができました。

 

標識化 N型糖鎖の構造解析 (MSTips No. 519)

糖鎖をHPLCで分離分析する際に、還元末端を蛍光試薬でラベル (標識) しますが、多くの蛍光試薬がMALDI, ESI などでのイオン化効率を向上させることが知られています。還元末端が2-AB (2-aminobenzamide) でラベルされた糖鎖をNewSpiralTOF™ (TOF-TOF オプションを含む) で測定し、構造解析を行いました。

合成オリゴヌクレオチドの精密質量測定による確認 (MSTips No. 364)

SpiralTOFの高分解能・高質量精度により、合成オリゴヌクレオチドの元素組成を確認することができました。

合成単鎖 DNA 5'-CGCTAAGTACGCAATGGGCC-3'

NewSpiralTOF™ 化学・材料アプリケーション

分子量10万を超えるポリマーの末端基解析 (MSTips No. 527)

NewSpiralTOF™ の広い質量範囲 (SpiralTOF モードで m/z 4-120,000) と高い分解能・質量精度により、分子量10万を超える ポリカーボネートの末端基解析が可能となりました。

合成単鎖 DNA 5'-CGCTAAGTACGCAATGGGCC-3'

JMS-S3000 NewSpiralTOF™ ポリマー解析システム

JMS-S3000 NewSpiralTOF™の高い質量分解能・高い質量精度・広いダイナミックレンジとmsRepeatFinder ポリマー解析ソフトウェアの組み合わせは最強のポリマー解析システムです。

msRepeatFinder ポリマー解析用ソフトウェア (オプション)

複雑なスペクトルについてKendrick Mass Defect (KMD) プロットとKendrick Mass Remainder (KMR) プロットを駆使して含まれるポリマー種や末端基を推定し、ポリマーの正体を明らかにします。さらに2検体間の差異解析も可能であるため、試料の劣化、ロット間差、合成過程の違いの検証に威力を発揮します。

分子量9,000を超える共有結合性超分子の精密質量測定 (MSTips No. 369)

SpiralTOFの高分解能により、分子量9,000を超える共有結合性超分子の質量を0.1 ppm以下の誤差で測定し、Journal of the American Chemical Society (JACS) への論文発表に繋がりました*。

(試料ご提供:東京工業大学 岩澤伸治教授)
* Ono, K. et al. Self-Assembly of Nanometer-Sized Boroxine Cages from Diboronic Acids. Journal of the American Chemical Society, 137 (22), 7015-7018 doi:10.1021/jacs.5b02716 (2015)

汚れに強いイオン源で、安定運用

MALDI イオン源では、ターゲットプレート上の、サンプル分子を含むマトリックスの微結晶にレーザーパルスを照射してサンプル 分子を含むマトリックスを脱離し、サンプル分子をイオン化します。脱離されたマトリックスの大部分は中性粒子として飛散し、 その一部はターゲットプレートと相対したイオン引出電極に付着することになります。この付着した「汚れ」に更にマトリックス などのイオンが衝突すると、汚れに静電気が帯電します。多くのMALDI-TOFMSのイオン引出電極は円孔レンズ (金属板に直径数ミリメートルの円形の穴を開けたもの) です。この穴の縁が不均一に汚れ、不均一に帯電することで、この穴を通過するサンプルのイオンの軌道が偏向され、感度・質量分解能が低下してしまうため、この電極を頻繁にクリーニングする必要が生じます。 NewSpiralTOF™ではイオン引出電極に高開口率 (開口率 > 82%)・高精細のグリッドを使用しています。高開口率により、付着す る汚れの総量が少なく、また高精細グリッドのイオン光学的特性から、仮に汚れが付着し、それが帯電したとしても、グリッドを通過するイオンの軌道は殆ど偏向されません。NewSpiralTOF™はメンテナンスフリーで長期間、高感度・高質量分解能を維持します。

 

一般的なMALDI-TOFMSのイオン源とNewSpiralTOF™のイオン源

JMS-S3000を使用した論文の実績集

カタログダウンロード

JMS-S3000 NewSpiralTOF™ MALDI-TOFMS

JMS-S3000 NewSpiralTOF™ MALDI-TOFMS

アプリケーション

関連するアプリケーションノート

関連製品

関連製品

ムービー内で紹介したアプリケーション

more info

JEOL 装置入門

主なJEOL製品の仕組みや応用について、
わかりやすく解説しています。

閉じるボタン
注意アイコン

あなたは、医療関係者ですか?

いいえ(前の画面に戻る)

これ以降の製品情報ページは、医療関係者を対象としています。
一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

お問い合わせ

日本電子では、お客様に安心して製品をお使い頂くために、
様々なサポート体制でお客様をバックアップしております。お気軽にお問い合わせください。