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ムービー内で紹介したアプリケーション

なぜマスイメージングに高質量分解能が必要なの?

マスイメージングは、当初タンパク質、ペプチドなど高分子量の化合物を対象に技術開発が進みました。しかしアプリケーションが拡大するにつれ、脂質、薬剤、代謝物など低分子化合物の分析が主流となっています。従来のリフレクトロン MALDI-TOFMS では、マトリックス由来のピークが観測されてしまう低分子量域の測定は不得意とされてきました。それに加えてマスイメージングでは、試料表面の夾雑物成分も観測されるため、目的化合物の観測を妨げる要因が増えます。そのため、低分子量域であっても高い質量分解能で、選択性の高い局在情報を取得することが大変重要です。SpiralTOF™-plus 3.0 は、それが可能な MALDI-TOFMS システムです。

組織切片などのマスイメージング対象試料は、酸化インジウムスズ (ITO) の導電性コーティングを施したスライドガラスに乗せ、マトリックス溶液を噴霧した後、乾燥させて装置内へ導入します。

レーザーを試料表面上で二次元に走査し、各ピクセルでマススペクトルを取得していきます。
マススペクトル上の特定ピークを指定することで、その化合物の局在情報を可視化することが可能です。

マスイメージングデータは、msMicroImager™ (オプション)での解析や、imzMLへ変換してSCiLS Lab MVS(オプション )、Biomap などで解析することも可能です。

AI(機械学習)によるノイズフィルター FINE-AI Filter

マスイメージングデータ処理ソフトウェア msMicroImager™ version 3 (オプション)には、AI(機械学習)を用いたノイズフィルター FINE-AI Filter を新たに搭載しました。走査電子顕微鏡 (SEM) で培った LIVE-AI (Live Image Visual Enhancer-AI) の技術をマスイメージングデータ処理に最適化して実装することで、マスイメージの画質の大幅向上を実現しました。

高質量分解能と FINE-AI Filter を活かしたマウス脳切片中の脂質のマスイメージング

マウス脳切片中には多様な脂質が存在し、m/z 700-1,000 にかけて複雑なマススペクトルが得られます。それらピークの大多数は、ベースピークに対して 10% 以下の微量成分です。そのため脂質をターゲットとしたマスイメージングでは、ベースライン付近において高い質量分解能が要求されます。下図に、m/z 820-823 の拡大図を載せました。0.1 u 程度の質量差のピークが多数観測されています。SpiralTOF-plus 3.0 の高質量分解能により、同重体イオンピークを分離し、精密質量測定により 4 種類の脂質の組成推定を行いました。また、化合物固有のイメージを描くと各々が異なる局在を示していることがわかります。従来のリフレクトロン TOFMS では、0.1 u 以下の分離が難しく、脂質の組成推定が難しいことに加え、局在情報が混合した結果となってしまいます。
更に AI ノイズフィルター FINE-AI Filter を適用することで、より質の高いマスイメージを得ることができました。

PE: Phosphatidyl ethanolamine, PC: Phosphatidyl Choline, GalCer: Galactosylceramide

本分析は、大阪大学大学院理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター先端質量分析学研究グループとの共同研究の成果です。 組織切片は、大阪大学大学院工学研究科環境エネルギー工学専攻 粟津研究室より提供いただきました。

SCiLS Lab MVS を用いたマスイメージングデータの統計解析

マスイメージングデータ解析ソフトウェア SCiLS Lab MVS を用いて、上記データで検出された多数のピークに基づいて統計解析を行いました。JMS-S3000 SpiralTOF™-plus の高い質量分解能を活かして、特徴的な部位の探索 (segmentation)・特徴的部位のマススペクトルの抽出が可能です。

pLSA (probabilistic latent semantic analysis) 解析の結果

Segmentation の結果

pLSA のスコアプロットとSegmentation の関係

Segment 毎のマススペクトル比較

SCiLS Lab MVS, Version 2020b Premium3D で解析

msMicroImager™ を用いた合成ポリマーのマスイメージングデータ解析

従来のマスイメージングでは、特定の質量を指定し、マスイメージを抽出します。しかし、ポリマーは分子量分布をもつため、従来手法ではある特定の重合度のマスイメージにしかならず、ポリマー全体の空間分布を可視化できません。
この問題を解決すべく、 msMicroImager™ (オプション) では、 ポリマーの数平均分子量 (Mn), 重量平均分子量 (Mw)、多分散度 (D) でイメージを描くことが可能になりました。これにより各重合度・同位体ピークに由来する数10~数100およびマスイメージを3つのイメージに集約しポリマーの空間分布をより直感的に解析することができます。

分子量分布の異なるポリエチレングリコールのイメージング質量分析 (MSTips No.305)

従来法では、ポリマーの特定の重合度の分布しか可視化できない。

msMicroImager™ と msRepeatFinder を組み合わせた合成ポリマーのマスイメージング解析

仕様・オプション

名称(型番) 機能等
プレート ガラスサンプルプレート専用アダプター HST 社製 ITO ガラスサンプルプレート専用
HST 社製 ITO ガラスサンプルプレート スライドガラス 0.7 mm 厚 25 枚入り
マルチターゲットプレート 厚みのある部品などの測定用
0.5mm/1.0mm深さの彫込み
ソフトウェア マスイメージング測定支援プログラム msTornado™ への、1D Scan 測定 , 2D Scan 測定機能付加
マスイメージング Rawdata の imzML への変換
msMicroImager™
マスイメージング解析プログラム
マスイメージングデータ読み込み、ビニング処理
マスイメージ一括抽出、ROIスペクトル作成、
マスイメージ一覧表示、色調変更
画像ファイル(光学顕微鏡画像・光学スキャナ画像を含む)のインポート
マスイメージおよびインポートされた画像の重ね合わせ
FINE-AI Filter によるノイズ低減・画質改善
平均分子量、多分散度によるイメージ作成
SCiLS Lab MVS(Bruker 社製) 比較解析 , 共局在分析 , 空間セグメンテーション , 成分分析 , 分類モデル計算 , 組織上の定量

マルチターゲットプレート。厚みのあるサンプル導入用(0.5mm & 1mm 厚)(上図)
サンプルプレートホルダー。HST社製ITOガラスサンプルプレート専用 (下図)

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アプリケーション

MS-Imagingに関するアプリケーション

JMS-S3000 SpiralTOF™イメージングアプリケーションノートブック

JEOL製超高分解能MALDI-TOFMS JMS-S3000 SpiralTOF™シリーズで測定されたデータに基づくアプリケーションノート・日本電子news記事の中から、イメージング質量分析に関するものをまとめた冊子 (アプリケーションノートブック) です。

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やさしい科学

主なJEOL製品の仕組みや応用について、
わかりやすく解説しています。

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