冷媒蒸発抑制装置は、NMR用超伝導マグネットからの液体ヘリウム(および液体窒素)の蒸発を大幅に抑制することのできる装置です。
定期的な冷媒再充填における測定スケジュールの調整や冷媒の不安定供給への懸念といった、NMR装置管理における冷媒関係の問題低減に役立ちます。
特長
軽量・省スペースながら、1台で液体ヘリウム、液体窒素の両冷媒の蒸発を抑制
冷媒補充作業の頻度・費用を低減し、装置の稼働時間を最大化
液体ヘリウムの入手難によるNMR装置の運転停止リスクを大幅に低減
新設計により冷凍機振動を十分抑制し、スペクトルへの影響を最小化
既設 NMRマグネットへの後付け可能
冷媒蒸発抑制能力
図1. 液体ヘリウム残量推移の比較
(弊社マグネット使用時における一例)
冷媒蒸発抑制装置ありの場合、日数が経過しても液体ヘリウム残量にほとんど変化がありません。
図2. 冷媒蒸発抑制装置 装着時のNMR測定例
(Erythromycin, 2D-NOESY w/o PFG)
環境の影響を受け易い位相検波型二次元測定における微小信号においても、冷媒蒸発抑制装置の振動に由来するノイズ等は観測されません。
仕様・オプション
冷媒蒸発抑制能力はマグネットの状態にも依ります。
超伝導マグネット納入時には液体ヘリウムと液体窒素が必要になります。
上記にリストされていないマグネットに取り付ける場合はお問い合わせください。
冷媒蒸発抑制装置のJNM-ECZL500R への設置
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