最先端の研究現場では“微量な発生ガス成分をIn-situ「その場」で分析する”という研究ニーズが高まっています。JMS-MT3010HRGA INFITOFは、このような研究者の声に応えるために最新のイオン多重周回技術を用いて、コンパクト化を図りながら高い質量分解能を実現した画期的な飛行時間質量分析計です。未知物質の解明に必要な、高い質量分解能に加えて水素原子イオンの検出も可能であり、今後の水素社会形成や次世代エネルギー開発に向けた先端材料研究など様々な研究ニーズに対応できます。
特長
最新のイオン多重周回技術
JMS-MT3010HRGA INFITOFは最新のイオン多重周回技術により、僅か20cm四方の分析部で最長約200mのイオン飛行距離を可能にしました。
高い質量分解能
画期的なイオン多重周回技術によりコンパクト化を図りながら高い質量分解能を実現しており、窒素分子(m/z 28.0062)のような低い質量領域でも、最高質量分解能:30,000(FWHM)以上が可能です。今までは質量分離が困難だった一酸化炭素(m/z 27.9949)と窒素分子(m/z 28.0062)、あるいは、二酸化炭素(m/z 43.9898)と亜酸化窒素(m/z 44.0011)などのガス成分が簡単に質量分離できます。さらに、精密質量測定により未知物質の組成演算も可能です。
水素イオンも測定できます
JMS-MT3010HRGA INFITOFは水素分子イオン(m/z 2.0157)だけでなく、水素原子イオン(m/z 1.0078)も測定可能です。水素イオンは、他の元素に比べて非常に軽く高速で飛行するため、飛行時間質量分析計での測定は困難でしたが、安定して測定できるようになりました。電解反応や触媒反応など、さまざまな先端材料研究に威力を発揮します。
In-situ「その場」分析や高分解能モニタリングが可能です
JMS-MT3010HRGA INFITOFはディスクトップPC並みの大きさで重さも40kgと軽量であり、容易に移動や設置ができます。例えばドラフトチャンバーやグローブBOX内の実験で発生するガスなど、一般試験室への持ち運びが困難な試料でも、接続を工夫する事でIn-situ「その場」分析や高分解能モニタリングが可能になります。
仕様・オプション
質量分解能 | 30,000 (FWHM) N2(m/z 28)ピーク幅で算出 |
---|---|
質量範囲 | m/z 1~1,000 |
感度 | 大気中38Ar S/N≧10(キャピラリーチューブを用いた直接導入) |
質量安定性 | 質量変動 ≦ 100ppm /時間 |
質量精度 | 3mDa(内部標準法)/5mDa(外部標準法 |
データ収集速度 | 最高2GS/秒 |
スペクトル記録速度 | 最高20スペクトル/秒 |
本体寸法/重量 | 430mm(幅)×625mm(奥行)×552mm(高さ)/40kg (本体幅には転倒防止用補助足の長さを含みます) |