フルデジタルコントローラを装備したマルチモード走査形プローブ顕微鏡の最上位機
特長
簡単操作で高性能・多機能
22ビット高さ分解能と最大2048×2048ピクセル画像
高さ方向の分解能はフルレンジ22ビット。画像の画素数は最大2048×2048ピクセルまで測定可能です。
HOPGのSTM画像
2048×2048ピクセルで測定したHOPGのSTM像から切り出された512×512ピクセルの画像で、原子分解能を有していることが確認できます。
[下] 20×20nm2 (2048×2048ピクセル)
[上] 1/16領域の拡大図 5×5nm2 (512×512ピクセル)
ダメージレス高速アプローチ
高速アプローチ機能により、試料-探針間の距離を気にせずに、短時間でダメージレスなアプローチ動作が可能です。
高速アプローチ模式図
長距離力として働く微弱な引力を遠方から検出するまでは高速(50μm/s)にアプローチし、以後は精密アプローチが行われます。
ダメージレススキャンコントロール
薄膜試料の断面を観察する際にエッジで探針が落ち込むので、これまでは探針のダメージが気がかりでした。Zリミッタ機能は、高さ追従範囲を設定することで、探針を試料表面との衝突から保護します。
Zリミッタを使用した測定例
多層膜光学フィルタ破断面のAFM像 5×4μm2
Zリミッタを使用すると、探針は規制された高さ範囲内で試料表面形状に追従します。そのため、左図のように試料表面が大きく落ち込んでいる場合にも、探針の衝突を回避し、安全な走査を行うことが出来ます。
断面製作装置 (クロスセクションポリッシャー) で製作した断面の観察などに有効です。
探針オートトラッキング
加熱・冷却観察において、温度変化による高さ方向のドリフトを自動的補正することで、長時間の安定観察を可能にしています。
素早く簡単位置決め
長方形スキャン
縦横比1:1の走査領域だけでなく、比率を任意に設定した長方形領域が測定可能です。
半導体表面のAFM像
20×4μm2 (1024×200ピクセル)
スキップスキャンによる高速走査
縦方向の走査ラインをスキップすることにより、走査時間を短縮した高速走査を行うことが出来ます。低倍率の高速スキャンを行うことで目的の視野をすばやく探し出すことが出来ます。
電子ビーム露光したレジスト残渣のAFM観察例
広い領域を高速スキャン (約1分/フレーム) で素早く視野を探し、その中心位置で凹凸像と位相像を観察した例。
[上] スキップスキャン 20×20μm2 (256×32ピクセル)
[左下] 凹凸像 3.2×3.2μm2 (512×512ピクセル)
[右下] 位相像 3.2×3.2μm2 (512×512ピクセル)
優れた真空環境制御
高真空( 10-6Pa)に対応
真空中にSPM検出系全体が組み込まれ、真空排気時にも安定動作
真空外から全てのレーザーアライメント可能
エアーロック機構により、真空を破らずに試料交換可能
仕様・オプション
分解能 | 面内 0.1nm
垂直 0.01nm AFM 原子分解能 (コンタクトモード時マイカ原子像) STM 原子分解能 (HOPG原子像) |
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測定モード (AFM) | AFM NCモード (周波数検出)
凹凸像・周波数像・散逸像 (オプション:SKPM ・MFM・EFM ) ACモード (振幅検出) 凹凸像・位相像・振幅像 (オプション:粘弾性像・SKPM・MFM・EFM ) コンタクトモード 凹凸像・フォース像・コンタクト電流像・FFM (オプション:粘弾性像・LM-FFM・PFM・SCFM) STM 凹凸像・電流像 (オプション:微少電流検出) SPS フォースカーブ・フリクションフォースカーブ・I-V・ S-V・I-S・SPSマッピング |
測定モード (STM) | 凹凸像・電流像
I-V・S-V・I-S・SPSマッピング (オプション:微少電流検出) |
標準スキャナ走査範囲 | X、Y 0~20μm (分解能16 bit×3DAC) 21bit相当
Z 0~3μm (分解能22 bit) チューブ形スキャナ使用 (交換可能) 画像ピクセル数:最大2048×2048 長方形スキャン・ラインスキップスキャン・探針オートトラッキング ダメージレススキャンコントロール・セーフティー高速アプローチ |
試料サイズ | 50mm×50mm×5mmt (最大)
10mm×10mm×3mmt (標準) |