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GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)

GC-MSとは?

ガスクロマトグラフ質量分析計 (GC-MS) は、ガスクロマトグラフ (GC) と質量分析計 (MS) を連結した複合分析装置です。 GCでは気化した混合成分を分配クロマトグラフィーの原理に基づき分離し、MSではGCから溶出した成分をイオン化し、イオンの質量に応じて分離・検出します。 測定対象成分は揮発性化合物で、有機化合物の定性分析や環境中の有害物質等の定量分析などに幅広く活用されています。

GC-MSで得られる情報

GCで混合した成分を分離することでクロマトグラムが得られます。全イオン電流値を保持時間(リテンションタイム)に対してプロットしたクロマトグラムは全イオン電流クロマトグラム(TICC)と呼ばれます。 GCで分離した成分をMSでイオン化し、その質量(m/z)を測定することでマススペクトルが得られます。TICCとマススペクトルの関係を以下の図に示します。

マススペクトルから得られる情報

マススペクトルからは以下のような情報が得られます。

GC-MSでできること

GC-MSによる分析は、定性分析と定量分析に大別できます。

定性分析

  • サンプルに含まれる成分が何であるかを調べる
  • EIマススペクトルライブラリー検索で分析を行うことが殆どである
  • EIマススペクトルライブラリー未登録の未知物質が対象の場合もある
    • ソフトイオン化法データと組み合わせて解析
      ⇒ GC-QMS、GC-TOFMS
    • 精密質量スペクトルで詳細解析
      ⇒ GC-TOFMS
  • 未知物質の解析においては分子量を示す分子イオンなどが重要
    • EI 法に加えソフトイオン化法が必要

定量分析

  • サンプルに含まれる成分のを調べる
  • 標準品との比較で分析を行う
  • 既知物質が対象で、未知物質の定量分析は殆どない
    • サンプルが綺麗 (水中の揮発性成分の分析等)
      ⇒ GC-QMS
    • サンプルが汚い (残留農薬分析、ダイオキシン分析等)
      ⇒ GC-TQMS
  • イオンの絶対強度 (感度) や安定性が重要
    • EI法がメイン

GC-MSの応用範囲

GC-MSは、揮発性化合物の定性・定量分析装置として、幅広い分野で活用されています。

  • 天然物化学/有機合成化学
    • 分子量の確認、構造解析
  • 化学/材料など
    • 合成高分子分析
    • 材料分析
    • 添加剤
    • 石油分析
  • 環境分析
    • POPs分析 (残留性有機汚染物質:ダイオキシン、PCB、農薬など)
    • 水、大気および室内空気などの分析
  • 生化学/医学/薬学/法医学など
    • メタボロミクス
    • ドーピングテスト
    • 麻薬、覚せい剤、危険ドラッグ分析
    • 爆発物、火薬分析
  • その他
    • 香気成分分析
    • ガス分析

GC-MSのGCについて

GC注入口と注入モードについて

GC注入口は、試料を気化し、分離カラムに導入する部位です。注入モードにはスプリット (Split)、スプリットレス (Splitless) モード等があり、分析に適した方法を選択する必要があります。

  • スプリットモード
    任意のスプリット比で気化した試料の一部を分離カラムに導入します。スプリットモードでは、スプリット比 (カラム流量とスプリットベント流量の比) を決定します。 カラムへの負荷量や対象化合物の感度を考慮して決定します。
  • スプリットレスモード
    注入した全量を分離カラムに導入します。カラムに導入される絶対量が多いため微量成分の分析に適しています。

カラムの種類と選択について

キャピラリーカラムはフューズドシリカ菅の内壁に固定相と呼ばれる高分子を塗布したカラムです。
カラム選択では、固定相の種類、カラムの長さ、内径、膜厚を決定する必要があり、それぞれの特徴を理解し適切なカラムを選択することが大切です。

  • 固定相の種類
    キャピラリーカラムは内壁に固定相が塗布されており、固定相の種類によって特性(極性・使用最高温度など)が異なります。 一般的に分析対象成分に似た性質の固定相を選択すると親和性が良く、ピーク形状もよくなります。極性の低いカラムで分析を行うと、成分はその沸点順に溶出してきます。
  • カラムの長さ
    一般的に20m~60mの長さが使用されています。内径、膜厚、キャリアガスの線速度が同じ場合、カラムを長くすると、分離度は向上しますが、分析時間は長くなります。
  • カラムの内径
    一般的に0.18~0.53mmの内径が使用されています。分離を改善したい場合、内径の細いカラムを使用するとピーク幅が細くなり分離度が向上しますが、受容できるサンプルの負荷量が減ってしまうため試料導入量に注意が必要です。
  • カラムの膜厚
    膜厚を薄くすることで、ピーク幅が細くなり、カラムブリードは少なくなります。膜厚を厚くすると保持力が大きくなるため、低沸点化合物を対象とする際は、膜厚の厚いカラムを使用します。

リテンションインデックスについて

GC において特定の化合物の保持時間(リテンションタイム)はGC 条件(カ ラムの内径・長さ・固定相の膜厚・温度条件・キャリアガス流量など)によっ て変わるため、保持時間を化合物同定の参考情報として使用するためには GC 条件を厳密に揃えたデータを比較する必要があります。 リテンションインデックス (RI) 値は直鎖飽和炭化水素 (n-Alkane) を基準と して保持時間を標準化した指標で、以下の式で計算されます。

  • tR(未知):未知化合物の保持時間

  • tR(n):未知化合物の前に溶出する炭素数 n の n-アルカンの保持時間

  • tR(n +1):未知化合物の次に溶出する炭素数 (n + 1) の n-アルカンの保持時間

各化合物はGC 条件に依存しない特有のRI 値を持つので、各種化合物の RI 値をデータベース化することで化合物同定の有力な情報とすることが できます。右の模式図ではカラム昇温速度を変化させ、それぞれの条件で n-アルカン標準品を測定して「成分A」のRI 値を計算していますが、 RI 値は殆ど変化していません。
RI 値は、GC 条件には依存しませんが、 GC カラム固定相の種類には依存 します。 RI データベースを化合物同定に利用するには、データベースに収 録されているRI 値を得る際に使用されたGC カラム固定相と同じ種類の 固定相を使用して分析することが必須です。

GC-MSのイオン化法について

GC-MSの測定対象である揮発性化合物に適したイオン化法には、電子イオン化 (EI) 法のほかに、化学イオン化 (CI) 法、光イオン化 (PI) 法、電界イオン化 (FI) 法があります。EI法では、分子イオンの確認が難しい化合物もあり、そのような化合物にはソフトなイオン化法であるCI法、PI法、FI法が有効です。

電子イオン化法 EI (Electron Ionization)

GC-MS で最も広く使用されているイオン化法です。フィラメントから放出さ れる熱電子を気相の試料分子に照射してイオンを生成する方法です。イオン化 するために試料分子をガス状にする必要があるため、GC との接続に相性の良 いイオン化法と言えます。EI 法は最もハードなイオン化法であるため、多くの フラグメントイオンが観測されます。観測される各イオンの相対強度(スペク トルパターン)の再現性は高く、データベースに収録されたEI マススペクト ルとパターン比較することで容易に定性分析することが可能です。EI マススペ クトルのデータベースに収録されている化合物数は30 万を超えており、豊富 なデータベースの存在が、GC-MS のアプリケーションの幅を広げています。

化学イオン化法 CI (Chemical Ionization)

GC-MS で使用される代表的なソフトイオン化法です。気密性の高いイオン化 室内に試薬ガスを導入し( 約10-2 Pa)、熱電子により試薬ガス(B) のイオン化 を行います。そこに試料分子(M) を導入し、試薬ガスイオンとのイオン分子反 応により、プロトン付加分子などを生成する方法です。CI 法はEI 法に比べソ フトなイオン化法であり、未知試料の分子量を確認するのに有効な手法の一つ です。試薬ガスとしてはメタン、イソブタン、アンモニアが主に使用されてお り、前者二つの試薬ガスでは[M+H]+ が、アンモニアガスでは[M+NH4]+ のイ オンが主に観測されます。

光イオン化法 PI (Photoionization)

イオン化室内に真空紫外(VUV) 光を照射し、8 ~ 10 eV 程度の光エネルギーを試料分子に与えてイオン化する方法です。一般的な有機化合物のイオン化エネルギーは8 ~ 11 eV であるため、イオン化する際のエネルギーが低くフラグメントイオンの生成を抑制できるソフトなイオン化法です。芳香族化合物のような紫外領域に吸収がある化合物は、その他の化合物に比べて感度が高い傾向があります。試薬ガスが不要なGC-MS 用ソフトイオン化法の一つで、誰でも簡単に使用することが可能です。未知化合物の分子量推定に有効です。

電界イオン化法 FI (Field Ionization)

エミッターと対向電極(カソード)との間に8 ~ 10 kV 程度の 電圧を印加し、試料分子中の電子がトンネル効果によりエミッ ターに移動することで試料分子をイオン化する方法です。FI 法 は主にGC 用のイオン化法であり、エミッターに近づいた気体 の試料分子がイオン化されます。FI 法は、イオン化の際に受け る内部エネルギーが1 eV 以下とEI 法やCI 法に比べてかなり 小さいため、フラグメンテーションが少ないソフトイオン化法 に分類されます。主に分子イオンが生じますが、化合物の極性 によってはプロトン付加分子が生じることもあります。JEOL GC-TOFMS シリーズで使用可能なイオン化法です。

各イオン化のマススペクトルの比較

GC-MSのMSについて

GC-MSのMSとして使用されているものには、四重極質量分析計 (QMS)、三連四重極質量分析 (TQMS)、飛行時間質量分析計 (TOFMS) などがあります。

[QMS] 操作性や堅牢性に優れており汎用的な装置として使用される場合が多く、ルーチン分析に適しています。
[TQMS] MS/MS法による高い質量選択が可能なため、夾雑物が多い試料の定量分析に適しています。
[TOFMS] 高分解能・高質量精度といった特長から精密質量解析が可能なため、定性分析、特にノンターゲット分析に適しています。

JEOL's GC-MS

QMS・TQMSとTOFMSの得られるデータの質の違い

QMS・TQMSとTOFMSでは質量分解能が異なるため、得られるデータの質が違います。一般的にQMS・TQMSは整数質量、TOFMSはミリ (1/1000) オーダーの精密質量が得られる質量分解能を有しています。精密質量解析などが必要な場合には、高分解能なTOFMSが最適です。

QMS/TQMSとTOFMSのデータ取得方法の違い

QMS・TQMS はイオンの分離に透過型四重極質量分析計を用いており、目的によってスキャンモードとSIM モードを切り替えて使用します。TOFMS にはモード切り替えという概念は無く常にマススペクトルを取得します。

四重極質量分析計 (QMS/TQMS) : m/z ∝RF電圧 (V), DC電圧 (U)

スキャンモード

透過型四重極質量分析計では、四重極に印加するRF電圧 (V) とDC電圧 (U) を適切に設定することで、指定されたm/zのイオンのみを透過させることができます。RF電圧 (V) とDC電圧 (U) の⽐率を⼀定に保ちながら、RF電圧 (V) とDC電圧 (U) のスキャンを繰り返すことにより、マススペクトルを逐次得ることができます。得られたデータからは、任意の時間のマススペクトルと任意のm/zのEICを得ることができ、マススペクトルから化合物の定性分析 (同定)、EICから定量分析が可能です。

SIM (Selected Ion Monitoring) : 選択イオンモニタリングモード

RF電圧 (V) とDC電圧 (U) をステップ状に繰り返し変化させ、あらかじめ設定した1つ以上のm/zイオンを順次透過させて測定します。Scanモードに⽐べ、特定のm/zイオンを透過する時間が⾮常に⻑いため、⾼感度を得ることができます。得られるデータは、あらかじめ設定されたm/zイオンのクロマトグラム (SIMクロマトグラム) のみですが、スキャンモードでは感度が不⼗分な微量物質の定量分析に使⽤できます。

飛行時間質量分析計 (TOFMS) : m/z ∝[飛行時間]2

m/zが異なるイオンを同じ電圧で同時に加速すると、すべてのイオンは同じ運動エネルギーを得て、無電界領域 (自由飛行領域) で⾶⾏します。m/zの⼩さいイオンは速く、m/zの⼤きいイオンは遅く⾶ぶので、イオンが検出器に到達する時間を計測することでマススペクトルを得ることができます。1回のイオン⾶⾏が数⼗マイクロ秒から数百マイクロ秒で終了するため、理論的には1秒間に1万回以上の測定が可能ですが、実際には適当な数のマススペクトルを合計して記録しています。弊社のGC-TOFMSは1秒間に50マススペクトルまで記録することが可能です。

GC-MSによる定性分析

定性分析のファーストチョイスは、NISTライブラリデータベース (DB) 検索を行うことです。EI法で最大質量イオンが分子イオンかどうかの判定が難しい場合は、ソフトイオン化で分子イオンやプロトン付加分子などを検出することにより同定の確度を上げます。しかし、ライブラリーDB未登録の未知成分の場合、完全な同定は難しい場合があります。そこで、精密質量解析を行うことによりイオンの元素組成 (分子式) を知ることができ、さらなる構造解析が進められます。

定性分析に有効な手法"統合解析"の有用性

GC-MSによる定性解析では、電子イオン化 (EI) 法で取得したマススペクトルを用いたライブラリーDB検索を行うことが一般的です。
下記に、成分AのEI法およびソフトイオン化 (SI) 法で取得したマススペクトルと、EI法マススペクトルを用いたライブラリーDB検索結果を示します。ライブラリーDB検索結果をみると、どの候補も類似度が800以上と高い値を示していることが確認できます。EI法マススペクトルだけで定性解析する場合、成分AはライブラリーDB検索で最も類似度が高い1番目の候補と判断されることが殆どです。しかし、SI法マススペクトルを確認すると分子イオンと推定されるm/z 314が検出されており、成分Aは2番目の候補「Diethylene glycol dibenzoate」であると推定することができます。
弊社では、上記に示したEI法マススペクトルを用いたライブラリーDB検索と、SI法マススペクトル中の分子イオンの解析を組み合わせることを"統合解析"と呼んでいます。この統合解析を自動で実施できるソフトウェアがmsFineAnalysisシリーズです。

成分AのEI法マススペクトル

成分AのSI法マススペクトル

No. 化合物名 類似度 分子式 分子量
1 2,2'-(Ethane-1,2-diylbis(oxy))bis(ethane-2,1-diyl) dibenzoate 828 C20 H22 O6 358
2 Diethylene glycol dibenzoate 821 C18 H18 O5 314
3 Benzoic acid, 2-(3-nitrophenyl)ethyl ester 810 C15 H13 N O4 271
4 1,3-Dioxolane, 2-(methoxymethyl)-2-phenyl- 802 C11 H14 O3 194
5 3,6,9,12-Tetraoxatetradecane-1,14-diyl dibenzoate 800 C24 H30 O8 446

成分AのライブラリーDB検索結果 上位5候補

未知成分の定性分析

定性分析フロー

ライブラリーデータベース未登録の未知成分の定性分析フローを以下に示します。未知成分はGC-QMSによる定性分析が困難です。この場合、前述した統合解析とGC-TOFMSによる精密質量解析の組み合わせが有効です。

未知成分の構造解析

未知成分解析において構造式を得ることは、定性分析の最大の目標と言えます。EIマススペクトルで観測される多数のフラグメントイオンは構造情報を豊富に含んでいるため、その組成式は正確な構造解析に利用できます。一般に、高質量のフラグメントイオンは官能基・部分構造を示唆し、低質量のフラグメントイオンは化合物分類に適するといわれています。また、McLafferty転移など、化合物の構造に特徴的なフラグメンテーションもあります。

前述したとおり、未知物質解析において分子式とフラグメントイオン組成式は有用な情報です。しかし、手動での構造解析はマススペクトルを解釈する知識や経験が必要です。この場合、自動構造解析ソフトウェアを用いた解析が有効です。

GC-MSによる定量分析

定量分析は、サンプルに含まれる⽬的成分の濃度を調べるための分析⽅法です。QMS/TQMSスキャンモードやTOFMSで測定したデータの、⽬的成分に由来するイオンのEICを作成することにより定量分析が可能となります。スキャンモードでは感度が不⼗分な場合は、QMS/TQMSのSIMモードで測定します。また、SIMモードでも感度や選択性が不⼗分な場合、TQMSは後述するSRMモードでより⾼感度な測定をすることができます。

スキャンモードデータとTOFMSデータからの定量分析

EICは、分析対象成分の強度の⾼いイオンのm/zを指定して作成します。作成したEICのピーク⾯積から定量値を算出することができます。

SIMモードデータによる定量分析

スキャンモードでの測定で感度が不⼗分な場合、SIMモードで測定します。あらかじめ標準試料をスキャンモードで測定し、強度が強く、分析対象成分に特有なイオンを特定します。その後、特定イオンのm/zを設定したSIM測定条件で、検量線⽤試料および実試料を測定します。

SRM (Selected Reaction Monitoring) : 選択反応モニタリングモードデータによる定量分析

SRMはTQMSに特有の測定モードで選択性が⾼く、GCで完全な成分分離ができない多成分分析や、マトリックスが多く定量結果の信頼性確保が困難な試料分析に有効です。TQMS (Triple Quadrupole Mass Spectrometer) は、第1MSと第2MSの2つの四重極質量分析計からなるタンデム質量分析計です。第1MSで選択した特定プリカーサーイオンをコリジョンガスに衝突させ、⽣成した特定プロダクトイオンを第2MSで選択し、モニターします。このように特定イオンの質量選択を2回⾏うので、1台のMSで質量選択を⾏うSIMモードに⽐べ、より選択的で信頼性の高い定量結果を得ることができます。

SRMは、SIMモードでは正確に定量できない、⽬的成分と妨害成分のm/zが重なるようなマトリックスの多い試料でも、⾼感度で信頼性の⾼い定量分析が可能です。

GC-MSと接続できる前処理装置

GC-MSは、様々な前処理装置と組み合わせることで、気体・液体・固体試料に含まれる成分を分析することができます。GC-MSとよく組み合わされる代表的な前処理装置であるヘッドスペースサンプラー (HS)、熱分解装置 (Py)、熱重量/示差熱同時分析装置 (TG/DTA) を紹介します。

ヘッドスペースサンプラー (HS)

試料 (液体、固体) を密閉容器に入れ、気相と試料相 (液相、固相) との分配平衡状態を得ます。その後、揮発性化合物を含む気相の一部をGC-MSに導入し、分析します。

熱分解装置: パイロライザー (Py)

熱分解炉内においてサンプルを加熱することによって発生したガス、あるいは熱分解生成物をGC-MSで分析します。ポリマーの同定、プラスティック中の添加剤の定量等の高分子材料の分析に主に使用されます。

熱重量/示差熱同時分析装置 (TG/DTA)

TG/DTAは、試料を加熱していく過程の重量変化や化学反応に伴う発熱・吸熱といった熱物性の観測が行えます。さらにMSを接続することで、加熱過程で発生するガス成分の分析が行えます。

  • TG (Thermogravimetry : 熱重量分析)
    加熱による試料の重量変化を測定する方法
  • DTA (Differential Thermal Analysis : 示差熱分析)
    試料と標準物質の温度差を検知し、サンプルの発熱・吸熱反応を観測する方法
HS Py TG/DTA
最高加熱温度 250°C 1,000°C 1,600°C
※機種のスペックにより異なります。
最大サンプル量 20g程度
(容器上限 約20mL)
数十mg程度
(容器上限80μL)
1g程度
(容器上限400μL)
用途(分析対象) 固体試料・液体試料に含まれる
揮発性成分
ポリマーの同定・構造解析
高分子材料中の添加剤の定性・定量
重量減少に伴って発生する
揮発性成分の定性・定量

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