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先進のAIテクノロジーが実現する
未知物質 構造解析ソリューション

msFineAnalysis AIは、GC/EIデータとGC/ソフトイオン化データを組み合わせた新しい定性解析"統合解析"と、2つのAI (メインAI、サポートAI) による"構造解析"を実現した、JEOL製JMS-T2000GC AccuTOF™ GC-Alpha専用の未知物質構造解析ソフトウェアです。
msFineAnalysisシリーズで搭載してきた機能は全て踏襲しています。msFineAnalysis AIでは様々な機能で得た解析内容に対して自動構造解析が可能です。
先進のAIテクノロジーが実現する今までにない自動構造解析システムが、GC-MS定性分析の常識を覆します。

特長

#1 AI構造解析

#2 ターゲット分析

#3 デコンボリューション検出

#4 2検体比較 (差異分析)

#1 AI構造解析

革新的なソリューションへ進化
未知物質の分子式推定から構造式推定へ

ライブラリーデータベース未登録の未知物質 ( ▼ ) に対し、従来のmsFineAnalysisでは分子式を自動で提供しました。
msFineAnalysis AIを使えば、未知物質の構造式 (予測) が自動で得られます。

ソフトイオン化法の必要性:確実な分子式情報取得が構造解析の第1歩!

EI法はライブラリーデータベースに多くのスペクトルデータが登録されており、GC-MSの定性分析に幅広く活用されています。しかし、EI法は最もハードなイオン化法であるため、分子イオン以外にも多くのフラグメントイオンが観測され、分子イオンが全く観測されないこともしばしばあります。
そのため、ライブラリーデータベースに未登録の未知物質の場合、EIマススペクトルだけでは観測された最もm/z値が大きいイオンが分子イオンなのか、それともフラグメントイオンなのか、その判別は困難となります。そのような場合はソフトイオン化法が有効となります。
AccuTOF™ GC-AlphaではFI・PI・CIといった多彩なソフトイオン化法が使用可能です。また、ソフトイオン化法は、分子イオンやプロトン付加分子といった分子量情報を与えるイオンを観測しやすく、さらに精密質量を組み合わせることによって、未知成分の分子式情報を正確に得ることが可能となります。

未知物質のAI構造解析における出発点としても分子式情報が必要なため、ソフトイオン化法による分子式情報取得はますます重要になっています。

ライブラリー未登録成分のマススペクトル

熟練した解析者による手動構造解析 vs AI自動構造解析

※JMS-T2000GC 標準構成PC での計測値です。

アクリル樹脂のPy-GC-TOFMS 測定データで観測されたNIST ライブラリーデータベース未登録化合物に対する構造解析に要した時間を比較しました。質量分析に携わって30 年以上の熟練した解析者でも、4 成分の構造解析に約2 時間、つまり1 成分あたり30 分程度を要しました。
一方、AI 構造解析では、100 成分の構造解析に7 分弱、つまり1 成分あたり4 秒で構造解析を終了しました。

熟練した解析者が推定した構造式と、その構造式のAI 構造解析スコア (類似度) です。良い一致で構造式を予測できていることが分かります。

2つのAIによる自動構造解析
オンライン環境不要で安定的な構造解析を実現

msFineAnalysis AIでは自動構造解析機能を実現しました。世の中で認知されている1億個あまりの有機化合物の構造式情報と新規に開発した2つのAIモデルによる計算から、ライブラリーデータベース未登録成分であっても構造式候補を提供します。

AI構造解析のさらなる進化

msFineAnalysis AI Ver.2では、構造解析能力が大幅に向上しました。

Graph Convolutional Networksを用いたEIマススペクトル予測モデルが更に進化!類似度、精度ともにver.1から大きく向上し、より確度高い自動構造解析結果を提供します。※製品にはAIモデルは含まれていません。最新のAIモデルで作成したAIライブラリー、および構造式フィルタリング機能など が含まれます。
 

AIライブラリー登録化合物数は1.2億化合物まで拡張!2つのin-silicoライブラリーを内包し、 材料分析、メタボロミクスでの活用の幅が広がりました。
 

構造式からリテンションインデックス (RI)を予測するAIにより、予測RI値と実測RI値を用いた構造式候補の絞り込みを実現しました。また部分構造情報を用いた手動での構造式絞り込みも可能です。2つの構造式候補絞り込み機能が、スピーディーに正しい構造式へ導きます。 ※) この機能はカラムの種類が "Standard Non-Polar"あるいは"Semi-Standard Non-Polar"である場合のみ使用できます。"Standard Polar"である場合は使用できません。

AI 構造解析アプリケーション

食品中未知物質の構造解析

食品中未知物質解析として、牡蠣中の未知物質(NISTライブラリー未登録物質)の解析を行いました。論文で1,5-Octadien-3-olと同定された成分1)に対してAI構造解析を行ったところ、2,560の構造式候補が得られ、部分構造フィルター“ヒドロキシル基-OH”で1,031候補まで絞り込むことができました。該当構造式はスコア875と良好であり、全体4番目のスコアと高い精度で構造式を得ることができました。

1) Kenji Ueda, Koki Yahiro, Yoshihiko Akakabe, J. Oleo Sci. 72, (7) 725-732 (2023)

牡蠣中未知物質のAI構造解析結果画面

HS-SPMEオートサンプラー装着図

廃棄ポリスチレンのアップサイクリングで生じた未知物質の構造解析(MSTips No.456)

アップサイクリングのひとつとして知られている廃棄ポリスチレンの触媒反応2)を行い、得られた生成物の定性分析を実施しました。廃棄ポリスチレンの劣化分解プロセスで特徴的に検出された成分をAI構造解析したところ、(2-phenylcyclohexyl)benzeneと推定されました。正確な触媒反応生成物の定性分析は、触媒反応の評価や反応のスケールアップを行う上での有用な知見となるため、AI構造解析による構造式推定が有効です。

2) Zhen Xu, Fuping Pan, Mengqi Sun, Jianjun Xu, Nuwayo Eric Munyaneza, Zacary L. Croft, Gangshu (George) Cai, and Guoliang Liu,. PNAS, 2022, Vol. 119,No. 34, 1-8. https://doi.org/10.1073/pnas.2203346119

劣化分解プロセスで特徴的に検出された成分
のAI構造解析結果画面

廃棄ポリスチレンの触媒反応模式図
劣化分解プロセスとアップサイクリングプロセス

#2 ターゲット分析

既知物質の迅速探索から未知物質の同定まで網羅

ターゲット分析機能では組成式、m/z値、CAS#から化合物を自動で探索します。
ターゲット分析リストは自由に編集可能です。またプリセットのターゲット分析リストもご用意しています。
ターゲット分析で検出した成分の統合解析・AI構造解析も可能です。

食品中香気成分・異臭成分のターゲット分析

msFineAnalysis AIはノンターゲット分析だけでなく、ターゲット分析にも対応しています。
組成式、m/z値、CAS#、いずれかの情報からターゲット化合物を自動で探索します。

レモン果汁中香気成分データに対して、異臭498成分のターゲットリストで解析したところ、10化合物を抽出しました。右下の結果画面は10成分のうちのCitralの詳細解析結果です。

異臭498成分のターゲットリスト
(プリセット)

レモン果汁中に存在したCitralの詳細解析結果画面

#3 デコンボリューション検出

精密質量デコンボリューションにより1成分のように見えるピーク中の複数成分を検出することが可能です。ベースラインに埋もれてしまった微量成分も見逃しません。

EI: 黒色実線:TICC、灰色ピーク:デコンボリューションピーク(青色は選択中)
SI: 緑色実線:TICC、灰色ピーク:デコンボリューションピーク(青色は選択中)

デコンボリューション検出では、TICC上で確認できない微量成分や、1成分のように見えるピーク中の複数成分を検出することが可能です。
多数の成分を自動で一斉に検出できるため、これまでのように抽出イオンクロマトグラム(EIC)をひとつひとつ作成する必要はありません。

#4 2検体比較 (差異分析)

分析ニーズが増加している2検体比較 (差異分析) に対応しています。
正常品と不良品、ロット間の違いなど2検体間のわずかな差異を抽出することが可能です。

ボルケーノプロットの詳細解析画面 (A: 良品、B: 不良品)

縦軸にp値を用いた再現性、横軸に2検体間の強度比を示すボルケーノプロットを採用しており、視覚的に2検体の差異成分を確認することができます。例えば正常品と不良品を比較して不良品で増減している成分や、新規材料と既存材料を比較して新規材料に特徴的な成分を確認できます。
2検体比較機能では測定データ数として、n=1、3、5の設定が可能です。

仕様・オプション

主な仕様

JMS-T2000GC AccuTOFTM GC-Alpha

質量分解能 30,000 @m/z 614
質量精度 1 ppm@EI標準イオン源
イオン化法 EI、CI、PI、FI、FD、DEI、DCI

msFineAnalysis AI

仕様・機能 • 自動ピーク判定およびマススペクトルの自動作成
• 手動ピーク判定によるマススペクトルの作成
• デコンボリューション処理によるマススペクトルの作成
• 2つの測定データにおける同一成分の解析
• 2つのマススペクトルから分子イオンの解析
• 2検体比較機能
• リテンションインデックスを用いた解析結果の表示
• NISTデータベース検索結果の表示
• 精密質量解析結果の表示
• 同位体パターン解析結果の表示
• 測定条件の表示
• ユーザーインターフェイス表記 日本語または英語
• AIによる自動構造解析機能
• ターゲット分析

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アプリケーション

msFineAnalysis AIに関するアプリケーション

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