GC/EI法とソフトイオン化法データの統合解析による
GC-MS定性解析ソリューション
msFineAnalysis iQ は、JMS-Q1600GC および JMS-TQ4000GC 専用の自動定性解析ソフトウェアです。EI マススペクトルを用いた NIST データベース (DB) 検索と、ソフトイオン化法(SI)による分子イオン自動確認および分子イオン同位体パターン解析等を組み合わせた新しい定性解析 “統合解析”が可能です。
クロマトグラムピーク検出は TICC ピーク検出と“デコンボリューション検出”の 2 種類をご用意しました。
また昨今ますます分析ニーズが高まっている“2検体比較(差異分析)”機能や、特定化合物の迅速確認に適した“ターゲット分析” 機能も搭載。解析機能も充実しています。
JEOL がもつソフトイオン化法技術(PI、CI、低イオン化エネルギー EI)と、最新の自動定性解析システムが、簡単・迅速・高精度な新しい GC-MS 定性分析を提案します。
特長
#1 統合解析
ライブラリー検索だけの定性分析から脱却!
4 つの解析を組み合わせた“統合解析”でより確かな定性解析を実現
ソフトイオン化法の必要性:NIST DB 検索だけの定性分析に潜むリスク…それ、本当に同定できていますか?
EI 法はイオン化時のエネルギーが高く、分子イオンが生じないことがしばしばあります。右に示す成分 A のEI マススペクトルでは分子イオンが観測されていません。
成分AをNIST DB 検索したところ5つの候補が得られましたが、EI 法データだけですと最高スコアの #1 の化合物であると結論付けてしまいがちです。果たしてこの結論は正しいのでしょうか?
この成分A をソフトイオン化(SI)法で測定すると 分子イオンと思われるm/z 314 が観測されました。この結果から、成分A は分子量314をもつ#2 の 候補である可能性が高いと言えます。 EI 法データの定性解析(NIST DB 検索)だけでは 誤った結果となるリスクが高いことが分かります。
NIST DB 検索とSI 法データ解析を組み合わせることで、正しい定性解析結果が得られます。 msFineAnalysis iQ では、このようなEI 法データとSI 法データを組み合わせた定性解析=統合解析を自動で行います。
成分AのEI マススペクトル
成分Aのソフトイオン化マススペクトル
成分Aのライブラリー検索結果 上位5候補
※EIデータ単独解析の場合、③、④はEIデータを用いて行います
今まで手作業や複数ソフトウェア画面で行っていたソフトイオン化法データの確認を1 つのソフ トウェア・解析フローに適用し、解析の自動化を実現しました。
ソフトイオン化法データを活用した定性解析に要する時間を大幅短縮しました。
GC/EIデータとソフトイオン化法(SI)データの迅速ノンターゲット分析を実現
#2 ターゲット分析
異臭成分や添加剤などの目的化合物を迅速に探索!
ターゲット分析機能では組成式、m/z 値、CAS#から化合物を自動で探索します。
ターゲットリストは自由に編集可能です。プリセットのリストもご用意しています。
ターゲット分析で検出した成分の統合解析も可能です。

化合物名、CAS#、分子式、フラグメント組成式、m/z 、コメントなどの情報を登録可能です。登録情報をもとに作成したEICからピークを自動検出し、目的化合物の含有を確認します。リストは自由に作成・編集可能です。プリセットのリストもご用意しています。

CAS#を入力すると自動でNIST DBをチェックします。NIST DBに該当化合物があれば自動で参照するマススペクトルが登録されます。
#3 デコンボリューション検出
EI: 黒色実線:TICC、灰色ピーク:デコンボリューションピーク(青色は選択中)
SI: 緑色実線:TICC、灰色ピーク:デコンボリューションピーク(青色は選択中)
#4 2検体比較
良品・不良品、産地別、製法別など2つのサンプル間の違いを迅速に抽出!
ボルケーノプロットでは各プロットが1つ1つの成分に該当し、円の大きさがピーク面積値を反映しています。また横軸、縦軸の見方は以下の通りです。
横軸: 2検体間の強度比の対数(Fold-change) 絶対値が大きい程、検体間の強度比大
縦軸: p値の対数の負の値 値が大きい程、差の再現性高
適用機種
JMS-Q1600GC UltraQuad™ SQ-Zeta ガスクロマトグラフ四重極質量分析計
JMS-TQ4000GC UltraQuad™ TQ ガスクロマトグラフ三連四重極質量分析計
特記事項
本製品は、MS-06023N20 (NIST20データベース)あるいはMS-06024N23 (NIST23データベース) が必要です。
本製品は、Windows®10オペレーティングシステム (64bit版)およびWindows®11オペレーティングシステム (64bit版)がインストールされたPC上で動作します。
本製品には、1,920×1,080以上の画面解像度のモニターが必要です。
本製品の動作には、MS-67078PCJと同等以上の性能のPCを推奨しています。
本製品は、MS-66061MPR (メインプログラム) のScanデータ、SIM / ScanモードのScanデータとMS-66090MPR (メインプログラム) のシングルQモードのScanデータ、シングルQモード / SIM / ScanのScanデータ、SRM / ScanモードのScanデータに対応したプログラムです。
Windows は米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
カタログダウンロード
msFineAnalysis iQ 統合定性解析ソフトウェア
アプリケーション
msFineAnalysis iQに関するアプリケーション
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熱分解GC/EI法およびPI法を組み合わせた市販ポリプロピレン製品の解析① ~msFineAnalysis iQによる統合解析の紹介~
熱分解GC/EI法およびPI法を組み合わせた市販ポリプロピレン製品の解析② ~msFineAnalysis iQによる差異分析例の紹介~
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