統合解析 × AI構造解析で進化する、新時代のGC‑QMS定性解析ソリューション
msFineAnalysis IQ は、GC/EIデータとソフトイオン化データを組み合わせた“統合解析”と、最新AIによる“AI構造解析”を融合した、JMS‑Q1600GC/JMS‑TQ4000GC 専用の次世代GC‑QMS解析ソフトウェアです。
従来のライブラリ検索を大きく進化させ、NIST DB にない未知物質の構造推定まで可能にすることで、GC‑QMS定性解析の可能性を大きく広げます。
特長
分子イオンの取得から構造推定まで、一連の解析を自動化。

#1 統合解析
ライブラリー検索だけの定性分析から脱却!
“統合解析”でより確かな定性解析を実現
これまで手作業や複数のソフトウェアで行っていたソフトイオン化法データの確認を、1つのソフトウェアと統合解析フローに集約しました。
解析の自動化を実現し、ソフトイオン化法データを活用した定性解析の所要時間を大幅に短縮します。
● 統合解析結果画面

● 個別化合物解析画面
リテンションインデックス情報や同位体パターンの解析を組み合わせることで、さらに確度の高い定性解析結果が得られます。

msFineAnalysis IQ 解析ワークフロー
統合解析により、NIST DB検索のみの定性解析と比べて、より確度の高い解析結果が得られます。
また、NIST DB検索で有力な候補が得られない場合でも、AI構造解析により構造推定が可能です。

ソフトイオン化法の必要性
NIST DB検索だけの定性分析に潜むリスク…それ、本当に同定できていますか?
EI法はイオン化時のエネルギーが高く、分子イオンが得られない場合があり、右図の成分AのEIスペクトルでも分子イオンは確認できません。NIST DB検索では複数候補が得られるものの、EIデータしか情報がない場合はマッチファクターが最も高い#1の候補を選択してしまいます。
一方、成分Aをソフトイオン化(SI)法で測定すると m/z 314 の分子イオンが確認され、分子量314を示す#2の候補の方が有力であることが分かります。
EIデータのみの定性解析には誤認のリスクがあり、DB検索とSI法データ解析を組み合わせることで、確度の高い定性解析結果が得られます。
msFineAnalysis IQでは、このようなEI法データとSI法データを組み合わせた定性解析=統合解析を自動で行います。
#2 AI構造解析
NIST DB未登録化合物であっても定性解析が可能!
AIにより未知物質の構造式候補をスピーディーに提案します
構造式からEIマススペクトルとリテンションインデックス値を予測する、2種類のAIモデルを開発しました。
これらを用いて約2億化合物からなるデータベース(AIライブラリー)を構築し、従来のNIST DB検索と同様の操作感で、NIST DB未登録化合物の定性解析を可能にしました。
msFineAnalysis IQのAI構造解析では、ソフトイオン化法(SI)データから得られる分子量情報を活用して構造式候補を 絞り込むことで、より信頼性の高い構造推定を迅速に実現します。
● 従来のmsFineAnalysis iQ
ソフトイオン化法により、NIST DB検索+αの定性解析情報が得られました。


● 最新のmsFineAnalysis IQ
AI構造解析により、NIST DB未登録化合物の構造式を推定できます。

高精度なAIモデル
マススペクトルを予測するAI モデルは、日本電子製ガスクロマトグラフ高質量分解能飛行時間質量分析計 JMS-T2000GC AccuTOFTM GC-Alpha 2.0用ソフトウェア msFineAnalysis AI の開発で培った技術を採用しています。
下図は評価用の10,000 化合物の実測マススペクトルと予測
マススペクトルのコサイン類似度のヒストグラムです。
従来のAIモデルでは、コサイン類似度平均値は0.72でしたが、
最新のモデルは、コサイン類似度平均値は0.86 まで向上しています。
高精度な構造式予測
下図は評価用の10,000化合物を用いて、AI構造解析で正しい構造式が候補リストの上位に提示されるかを評価した結果です。その結果、本手法が良好な構造式予測精度を示すことを確認しました。
Py-GC-QMSを用いたアクリル樹脂の熱分解生成物の定性解析
ポリマーの熱分解生成物は標品の入手が難しく、とくにダイマーやトライマーは NIST DBに未登録の場合が多くあります。下図は、アクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体)のダイマーに相当する、NIST DB 未登録成分の解析例です。
文献*に記載されている構造式が、msFineAnalysis IQ の AI構造解析で何位にヒットするかを確認したところ、本例では正解構造が第2位に候補として提示されました。

#3 ターゲット分析
異臭成分や添加剤などの目的化合物を迅速に探索!
ターゲット分析機能では組成式、m/z値、CAS#から化合物を自動で探索します。
ターゲットリストは自由に編集可能です。プリセットのリストもご用意しています。
ターゲット分析で検出した成分の統合解析も可能です。
● ターゲットリストの編集

● ターゲット分析結果画面

マイクロチャンバー/TD-GC-QMSを用いたハンバーガー中香気成分分析(MSTips No.486)
市販のハンバーガーをマイクロチャンバー/TD-GC-MSを用いて測定し、自作の食品香気成分リストを用いてターゲット分析を行いました。その結果、リスト登録の7化合物のうち4化合物が基準を満たしました(背景色:青)。ハンバーガーの香辛料・ハーブ由来の特長的な香気成分を迅速に探索することができました。

#4 デコンボリューション検出
TICC上では1ピークに見える共溶出成分やベースに埋もれた微量成分も検出!

#5 netCDF (ANDI-MS) データ解析
GC‑MSの共通データフォーマットであるnetCDF(ANDI-MS)データの解析が可能!
日本電子製の旧世代GC‑QMSシリーズで取得した過去データについても、netCDF形式に変換していただくことで解析できます。

#6 2検体比較(差異分析)
良品・不良品、産地別、製法別など2つのサンプル間の違いを迅速に抽出!
● 差異分析結果画面

msFineAnalysis IQでは統計的仮説検定を用いた差異分析が可能です。統計的仮説検定はGC/EIデータ(2つのサンプルで各n=3もしくは5)を使い、サンプル間で検出した化合物に“再現性”および“差”があるかを判定します。各々のサンプルに特徴的な成分と共通成分に分類した後、GC/EIとSIデータを用いた統合解析を自動で実施します。
● ボルケーノプロット

ボルケーノプロットでは各プロットが1つ1つの成分に該当し、円の大きさがピーク面積値を反映しています。また横軸、縦軸の見方は以下の通りです。
【横軸】
2検体間の強度比の対数(Fold-change)
絶対値が大きい程、検体間の強度比大
【縦軸】
p値の対数の負の値
値が大きい程、差の再現性高
ボルケーノプロットにより、サンプル間の差異成分と再現性を視覚的に確認できます。
HS-SPME-GC-QMSを用いたカカオ分が異なるチョコレートの差異分析(MSTips No.438)
それぞれの試料において、アルデヒド、エステル、カルボン酸や窒素を含むピラジン類など、チョコレートの香気成分由来と考えられる成分が検出されました。
カカオ分約95%で最も強度が高いID:032は、Pyrazine, tetramethyl-と推定されました。Pyrazine, tetramethyl-はカカオの焙煎により生じる香りであり、カカオ分の高い本試料で強く検出されていることが示唆されます。
なお、本成分は両試料間で共通成分のAcetic acidと近い時間で溶出していましたが、デコンボリューションピーク検出機能によりピーク検出することができました。


異なる色相(シアンとマゼンダ)の水性インクの差異分析(MSTips No.396)
ボルケーノプロットの左領域がシアン、そして右領域がマゼンダに特異的に含まれている成分です。
中央の水やイソプロピルアルコールなどの共通成分と比べると量的には少ないですが、マゼンダに特異的に含まれているカプロラクタムに対して、シアンではEthanol, 2,2' -oxybis-(ジエチレングリコール)やその他4成分が特異的に含まれることが分かりました。

適用機種
JMS-Q1600GC UltraQuad™ SQ-Zeta ガスクロマトグラフ四重極質量分析計
JMS-TQ4000GC UltraQuad™ TQ ガスクロマトグラフ三連四重極質量分析計
特記事項
本製品は、MS-06023N20 (NIST20データベース)あるいはMS-06024N23 (NIST23データベース) が必要です。
本製品は、Windows®10オペレーティングシステム (64bit版)およびWindows®11オペレーティングシステム (64bit版)がインストールされたPC上で動作します。
本製品には、1,920×1,080以上の画面解像度のモニターが必要です。
本製品の動作には、MS-67078PCJと同等以上の性能のPCを推奨しています。
本製品は、MS-66061MPR (メインプログラム) のScanデータ、SIM / ScanモードのScanデータとMS-66090MPR (メインプログラム) のシングルQモードのScanデータ、シングルQモード / SIM / ScanのScanデータ、SRM / ScanモードのScanデータに対応したプログラムです。
Windows は米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
カタログダウンロード
アプリケーション
統合定性解析ソフトウェアmsFineAnalysis iQを用いたアクリル樹脂熱分解生成物の定性解析
統合定性解析ソフトウェアmsFineAnalysis iQを用いた接着剤中添加剤成分の定性解析
msFineAnalysis iQを用いた脂肪酸メチルエステルの統合解析
熱分解GC/EI法およびPI法を組み合わせた市販ポリプロピレン製品の解析① ~msFineAnalysis iQによる統合解析の紹介~
熱分解GC/EI法およびPI法を組み合わせた市販ポリプロピレン製品の解析② ~msFineAnalysis iQによる差異分析例の紹介~
GC/EI法およびPI法を組み合わせた水性インクの組成分析-1 ~msFineAnalysis iQによる統合解析~
GC/EI法およびPI法を組み合わせた水性インクの組成分析-2 ~msFineAnalysis iQによる差異分析~
HS-SPME-GC-QMSと統合定性解析ソフトウェアmsFineAnalysis iQを用いたカカオ分が異なるチョコレートの差異分析
HS-SPME-GC-QMSと統合定性解析ソフトウェアmsFineAnalysis iQを用いた大根おろしにおける揮発性成分の定性分析
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