GC/FI-TOFMS による原油のタイプ分析 (2):タイプ分析結果の再現性
MS Tips No.072
FD ( Field Desorption)/FI(Field Ionization ) 法は、高電界中にある試料から固体表面への電子のトンネル効果により試料をイオン化する手法です。試料をエミッター上に塗布し、エミッターに電流を流し測定を行うのが FD 法であり、気化した試料をエミッター上に導入してイオン化を行うのが FI 法です。FI 法は、フラグメンテーションが起こりにくく、分子イオンの情報のみを与えるソフトなイオン化法です。このため原油等に含まれる炭化水素類といった EI ( Electron Ionization ) 法では分子イオンが観測されにくい試料に対するイオン化法として用いられてきました。原油などの多成分からなる混合物や、種々の分子量をもつ分子から成る多分散系の高分子化合物では、分子量を表す量として平均分子量を用います。平均分子量はいわゆるタイプ分析から得ることが出来、タイプ分析とは得られた質量スペクトル中の各イオンの質量と強度から、平均分子量を算出する手法です。今回 JMS-T100GC “AccuTOF GC” にて原油の GC/FI 測定を行い、さらに得られたデータにてタイプ分析を行い、得られた各平均分子量の再現性について評価しました。
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