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MALDI-TOF-MSによるポリマーキャラクタリゼーションの新展開

日本電子News Vol.43, 2011 大谷 肇
名古屋工業大学 物質工学専攻

質量分析法(mass spectrometry; MS)は、原子または分子をイオン化して、それらを高真空中で加速し、電場や磁場の中を移動させて、各イオン種の質量による場との相互作用の違いを利用して、分離・検出する分析手法である。その結果観測される質量スペクトルから、化合物の分子量、分子式、および化学構造などに関する情報を得ることができる。しかし、ポリマーに代表される高分子量成分に対しては、その分子構造を破壊せずイオン化することが容易ではなく、また、それらを首尾よくイオン化できたとしても、分離及び検出に困難を伴うことなどの問題があった。こうしたことから、かつては高分子化合物はMS の測定対象としては見なされず、その利用は比較的分子量の小さな成分の解析に 限定されていた。しかし、近年の各種ソフトイオン化法、あるいは高い感度や分解能を兼ね備えた質量分離法の著しい発展により、現在では分子量が106を超える高分子量物質の分子イオンをスペクトル上に観測して、分子量の決定や化学構造の解析を行うことなども比較的容易になってきた。こうしたことからMS は、ポリマーキャラクタリゼーションの重要な手法の一つになりつつある。

本稿ではまず、今日利用されている様々なタイプのMS について、それらの構成要素と特徴などを簡潔に述べた後、昨今ポリマーの解析に最もよく利用されている、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF−MS)について、その装置構成と測定原理などを概説し、さらにごく最近上市された、超高分解能のスパイラル光学系を備えたMALDI−TOF−MS システムによるポリマーキャラクタリゼーションの具体例を紹介する。

続きは、日本電子News Vol.43のPDFファイルをご覧ください。

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