Combi PAL GC/QMSを用いた電力用変圧器の損傷診断
MSTips No.191
一般的な電力用変圧器は、鉱油を主要成分とする絶縁油および絶縁材料から構成されている。電力用変圧器内で放電や加熱が生じた場合、絶縁油および絶縁材料から経年劣化では生成されない特徴的な成分が発生する。発生する成分は損傷材料や異常様相によって異なるが、ジアセチル、エタノール、フラン、酢酸メチル、ギ酸メチルなどが知られている。それら成分の発生量を把握することは、損傷・異常度合いの認識や運転継続の可否判断につながるため、重要視されている。
数多く使用されている電力用変圧器を早期かつ正確に診断するため、これらの物質の分析法には、成分が微量に生成した段階での検出が可能なだけでなく、容易かつ迅速な測定方法が求められる。しかしながら、これまでに基礎的な研究はいくつか行われているが、高感度検出と簡便性、迅速性を兼ね備えた分析方法は確立されていない。
今回、エーエムアール社製シングルマグネットミキサー(SMM) を装備したCTC Analytics社製 SPME用 Combi PALを使用して、絶縁油にジアセチルを添加した模擬サンプルの気相部分をサンプリングし、測定した。本定量分析法を検討し、良好な結果が得られたので報告する。
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