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ESR(電子スピン共鳴装置)を用いた光触媒活性の評価法Ⅱ

ER040008

スピントラップ法による測定

光触媒は、光以外のエネルギーを必要としない環境にやさしい環境浄化材料として注目されている素材です。水質浄化、悪臭分解、シックハウスガス分解、排ガス中有害物質分解、土壌汚染物質の除去、環境ホルモン・ダイオキシン分解、抗菌その他の多くの製品に利用されています。
この活性は、光触媒が半導体であるため光エネルギーにより生成する活性酸素によるものです。極めて酸化力の強いHO(hydroxy radical)を生成し、これによって悪臭成分等が分解されます。

光触媒機能の本体はHO(hydroxyradical)

光触媒活性の評価法(既存法)

・色素脱色法
光触媒(製品)にメチレンブルー溶液を接触させ、1時間光照射後に着色の有無を観察する方法。
専用の装置が発売されていますが、わずかな着色の差を観ることになるため、精度のよい測定をするためには繰り返し数を増やしたり、評価条件をコントロールする必要が生じると思われます。

・プラスチックバック中ガス分解法
光触媒(製品)をアセトアルデヒドガスと共に密封し、20時間光照射後に残存ガス量を測定する方法。
残存ガスの測定は、ガスクロやガス検知管で行いますが、バッグ材料や試料からのアセトアルデヒドガスの放出や、逆に吸着が起きることもあるためこうした要素を除く工夫が必要です。

より簡便で信頼性の高い、JIS, ISOにむけた性能評価試験法が関連機関で順次検討されています。
 

HOをはじめとするラジカルを測定する装置がESRです。活性酸素は大変寿命が短いため、凍結測定が必要ですが、より簡単な測定法として水溶液中でスピントラップ剤(DMPO)により安 定化して(DMPO-OH)測定する方法が広く行われています。DMPO-OHの半減期は条件により数 時間にもなりますので、室温で測定することが可能です。下図(右)のように、試料をDMPO溶液に入れ光を照射します。活性酸素が生成すると水溶液中でDMPOにトラップされますので、この溶液をサンプリングして測定します。水溶液を測定する場合は、下図(左)のような水溶液 試料用セルを用います。DMPO-OHは強度比1:2:2:1の4本の信号を与えます。その強度が光触媒から生成した活性酸素量に相当し、信号強度が高いものが光触媒活性が強いことを意味しています。

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