MICCS-NMR応用例3 (MIcro Channeled Cell for Synthesis monitoring - NMR)
NM060009
ラジカル付加反応 ~反応経路解析11B-NMR編~
反応
アミン類の合成に用いられる、Et3B(トリエチルボラン)のオキシムエーテルへのラジカル付加反応です。反応過程においては、ホウ素錯体中間体の存在が示唆されていますが、水分子存在下では速やかに反応が進みます。
測定方法
それぞれの流量比を変えることで、原料の濃度比率をコントロールしています。原料(オキシムエーテル)にEt3Bを加えていき、11B-NMRでそのスペクトルの変化を確認しています。初め観測された信号が、原料とEt3Bが1対1になったところを頂点に減少しており、最後には他の信号が現れてきています。このことから、中間体の信号とEt3Bの信号を直接帰属することができました。

*全てCH2Cl2 溶液の濃度です
単位(μl/min)
| Slice No. | 0.5M oximeether | 0.5M Et3B |
| 1-10 | 4.0 | 0.0 |
| 10-20 | 3.0 | 1.0 |
| 20-30 | 2.5 | 1.5 |
| 30-40 | 2.0 | 2.0 |
| 40-50 | 1.5 | 2.5 |
| 50-60 | 1.0 | 3.0 |
| 60-80 | 0.0 | 4.0 |

JNM-ECA400
測定法 Single pulse積算回数(1データ) 32回
試料ご提供
神戸薬科大学薬品化学研究室内藤 猛章 先生
宮田 興子 先生
上田 昌史 先生
