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IMPEACH-MBC ~広nJCH帯域1H観測ロングレンジシフト相関測定の改良~

NM060013

HMBC測定におけるロングレンジ相関信号の強度は磁化移動時間 1/2 nJCH に依存します。基本的なHMBC測定においては nJCH の値が固定であるため、様々な nJCH の値に由来する相関信号を一挙に取得することができません(図3上)、これを可変することにより広い範囲の nJCH 相関を一挙に取得する手法が ACCORD-HMBCです。ところが、ACCORD-HMBCでは、nJCH の可変中にJHH モジュレーションが記憶され、間接観測軸方向に激しく歪む減少が発生します(図3中央)。 IMPEACH-MBC(IMproved PErformance ACcordion HMBC)では、ACCORD-HMBCにおける可変ディレイを相殺する逆可変ディレイによりコンスタントタイム化することにより JHH モジュ レーションを取り除き、ACCORD-HMBCの間接観測軸方向の歪みの問題を解決しました。この測定により、広 nJCH 帯域のロングレンジシフト相関が、解析しやすいスペクトルになります(図3下)。

IMPEACH-MBC測定のパルスダイアグラム

図1 IMPEACH-MBC測定のパルスダイアグラム

τ1 = 1/2{1JCHmax + 0.146(1JCHmax1JCHmin)}–1, τ2 = 1/2{1JCHmax – 0.146(1JCHmax1JCHmin)}–1
vd = 1/2(nJCHmin)–1 – y_point[{1/2(nJCHmin)–1 – 1/2(nJCHmax)–1}/(y_points – 1)]
D = initial_delay* + y_point[{1/2(nJCHmin)–1 – 1/2(nJCHmax)–1}/(y_points – 1)]
*initial_delay = 2(PFG + recovery time)

4-methyl umbelliferone の IMPEACH-MBCスペクトル

図2 4-methyl umbelliferoneのIMPEACH-MBCスペクトル
nJCHmax = 10 Hz, nJCHmin = 2 Hz, 1JCHmax = 170 Hz, 1JCHmin = 120 Hz, y_points = 512

測定装置:JNM-ECX400

HMBC

hmbc_pfg.ex2
long_range_j = 8 Hz
j_constant = 140 Hz

HMBC

↓ nJCH帯域化

ACCORD-HMBC

hmbc_accord_dec_pfg.ex2
y_points = 256
lr_j_min = 1 Hz
lr_j_max = 16 Hz
j_ch_min = 120 Hz
j_ch_max = 160 Hz

ACCORD-HMBC

↓ JHHモジュレーションの除去

IMPEACH-MBC

impeach_mbc_dec_pfg.ex2
y_points = 512
lr_j_min = 2 Hz
lr_j_max = 10 Hz
j_ch_min = 120 Hz
j_ch_max = 170 Hz

IMPEACH-MBC
測定装置:JNM-ECX400

参考文献

C.E. Hadden, G.E. Martin and V.V. Krishnamurthy, J. Magn. Reson., 140, 274 (1999)

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