CIGAR-HMBC ~広nJCH帯域1H観測ロングレンジシフト相関測定の改良~
NM070001
CIGAR-HMBC(Constant time Inverse-detected Gradient Accordion Re-scaled long-range HMBC)はIMPEACH-MBCをさらに改良した測定法です。上図に示したIMPEACH-MBC 測定では、可変ディレイとした磁化移動時間1/2 JCH をコンスタントタイム化する ことによりJHH モジュレーションを取り除きましたが、JHH モジュレーションは展開時間 t1 においても記憶されるため、JHH モジュレーションを完全に取り除くためには、展開時間t1を含めた全ての可変ディレイをコンスタントタイム化する必要があります。 CIGAR-HMBC では、新たにJscaleパラメータを用意し、間接観測軸方向の歪みを完全に取り除くことを可能としました。Jscaleパラメータを0とすれば、JHHモジュレーションが完全に除去されます。なお、Jscaleパラメータが1の場合には、IMPEACH-MBCと同等のJHH モジュレーションが残り、さらに大きなJscaleパラメータを用いれば、意図的に JHHモジュレーションを発生させることができます。意図的なJHHモジュレーションは相関信号の確実性を確認する目的で利用することができます。
図1 CIGAR-HMBC測定のパルスダイアグラム


図2 4-methyl umbelliferone の CIGAR-HMBCスペクトル


