PULCONとその応用(アセトアミノフェンの純度分析)
NM150003
定量NMR法には分析試料内に標準物質を入れて測定する内標準法と分析試料とは別に標準物質溶液を用意して測定を行う外標準法があります。ここでは外標準法のうちPULCONによる純度分析例を紹介します。
PULCONとは?
PULCONはPulse length based concentration determinationの略で、外標準法の1つです。試料溶液とは別に用意した標準溶液と試料溶液のNMRスペクトルを比較して定量します。
NMRスペクトル間の信号強度は式1に基づき相関関係がなりたちますので、パルス幅、温度などのファクタを考慮して校正及び計算を実施します。
また、標準溶液のモル濃度の信頼性は結果に大きな影響がでることもわかります。
NMRスペクトル間の信号強度は式1に基づき相関関係がなりたちますので、パルス幅、温度などのファクタを考慮して校正及び計算を実施します。
また、標準溶液のモル濃度の信頼性は結果に大きな影響がでることもわかります。
直線性の確認
濃度の異なるBTMSB-d4 のDMSO-d6溶液を調製し、
計算値(実測)と調製値の相関
測定条件
サンプル濃度:0.06mM , 0.25mM , 0.99mM , 3.96mM
結果
3.96mMの溶液を基準にして解析したところ、実測値と調製値はほぼ一致し、
直線的なレスポンスを確認できました。
ただし、PULCONではサンプル管のわずかな容量差や装置ファクタなど結果に
影響するバイアス要因が内標準法よりも多く、測定結果を評価する上で注意を
しておく必要があります。
計算値(実測)と調製値の相関
測定条件
サンプル濃度:0.06mM , 0.25mM , 0.99mM , 3.96mM
結果
3.96mMの溶液を基準にして解析したところ、実測値と調製値はほぼ一致し、
直線的なレスポンスを確認できました。
ただし、PULCONではサンプル管のわずかな容量差や装置ファクタなど結果に
影響するバイアス要因が内標準法よりも多く、測定結果を評価する上で注意を
しておく必要があります。
PULCONによるアセトアミノフェンの純度分析
STEP1:試料調製
分析試料溶液:アセトアミノフェンDMSO-d6溶液 10.27mg/5mL
標準溶液:15mM 安息香酸 DMSO-d6溶液(CIL社製 DLM-7061C)
※この溶液はNIST トレーサブルであり、モル濃度に対して認証値が
付与された、外部標準法には最適な標準溶液です。
STEP2:NMR測定
STEP3:解析
Delta NMR ソフトウェアfor qNMRによる処理と計算