1,1-adequateの利用例
NM160002
1,1-adequateはhmbcと同じく異種核相関を得る測定法です。hmbcの相関信号からは2JCHと3JCHの区別をつけるができませんが、1,1-adequateでは1JCHと2JCHのみが観測されるためhsqcと合わせて測定することで2JCHを見分けることができます。1,1-adequateでは1JCHと1JCCのカップリングを利用して信号を観測します。この測定法は4級炭素が多い化合物や、芳香環の帰属に有効な測定法です。
1,1-adequateは1JCCを利用して信号を観測するため、感度の悪い測定法ですが、1H側で測定定するインバース測定である分、inadequateよりも高感度で測定が可能です。測定条件には1JCHと1JCCに対応するパラメータを設定します。
100mg 4-methylumbelliferone / DMSO-d6の1,1-adequateの全体図、および拡大図を示します。
使用装置: ECZ400S+ROYALプローブ
測定条件: 48scans(7h), J_constant=140Hz,JCC=60Hz
参考文献
B. Reif, M.Kock, R.Kerssebaum, H.Kang, W.Fenical, C.Griesinger JMR ser-A 1996, 118, 282-285 M.Kock, R.Kerssebaum, W. Bermel MRC 2003, 41, p65-69
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