Close Btn

Select Your Regional site

Close

超高速MAS下でのC-H, N-H原子間距離の正確な決定法(VC-CP法)

NM160005

VC-CP(Cross-Polarization with Variable Contact-time)法測定は固体NMRにおいてC-H、 N-Hの双極子相互作用を測定する方法になります[1]。60kHz以上のマジック角回転(MAS)条件下でこの測定(Fig. 1a)を行う事により、プロトンとその結合している炭素13や窒素15との正確な原子間距離を双極子相互作用の大きさから見積る事ができます[2,3]。プロトン観測タイプの測定法(Fig. 1b)では検出感度が改善されるため、積算効率が6倍程度になります[4]。Fig. 2に実際の試料(U-[13C, 15N] L-アラニン)で測定をしたデータを示します。炭素13検出タイプシーケンス(Fig. 1a)で測定したデータ(Fig. 2a, b)に比べて、プロトン検出タイプシーケンス(Fig. 1b)で測定したデータ(Fig. 2c, d)のs/nが改善されたことが分かります [4]。


Fig.1 CP-VC法パルスシーケンス
(a) 13C/15N 検出タイプ, (b) プロトン検出タイプ

Fig.2 U-[13C, 15N] L-アラニンでの2D CP-VC測定スライスデータ(3.6ppm)。
a: 70kHz MAS、炭素13検出、 b: 100kHz MAS、 炭素13検出、 c: 70kHz MAS、 プロトン検出、 d:  100kHz MAS, プロトン検出

検出感度の良いプロトン検出タイプのVC-CP法測定では天然存在比の炭素13、 窒素15に対して適用が出来ますので同位体標識の試料は必要無くなります。下記に非標識L-ヒスチジンのデータを一例として示します(Fig. 3、 Fig. 4)。 超高速MASによる分解能改善の効果で綺麗に分離したプロトン-双極子カップリング二次元スペクトルを得ることができます [4]。


Fig.3 2次元 13C CP-VC測定 (試料:非標識L-ヒスチジン塩酸塩)、70kHz MAS.

Fig.4 2次元 15N CP-VC測定 (試料:非標識L-ヒスチジン塩酸塩)、70kHz MAS.

参考文献

[1] P. Paluch, T. Pawlak, J.P. Amoureux, M.J. Potrzebowski, J. Magn. Reson. 233 (2013) 56–63.
[2] P. Paluch, J. Trébosc, Y. Nishiyama, M.J. Potrzebowski, M. Malon, J.P. Amoureux, J. Magn. Reson. 252 (2015) 67-77.
[3] Application Note NM140017 (http://www.j-resonance.com/en/application/?appid=NM-140017) .
[4] Y. Nishiyama, M. Malon, M.J. Potrzebowski, P. Paluch, J.P. Amoureux, Solid State Nucl. Magn. Reson. 73 (2016) 15-21.

カテゴリーからアプリケーションを探す SEARCH APPLICATIONS

分野別ソリューション

閉じるボタン
注意アイコン

あなたは、医療関係者ですか?

いいえ(前の画面に戻る)

これ以降の製品情報ページは、医療関係者を対象としています。
一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

やさしい科学

主なJEOL製品の仕組みや応用について、
わかりやすく解説しています。

お問い合わせ

日本電子では、お客様に安心して製品をお使い頂くために、
様々なサポート体制でお客様をバックアップしております。お気軽にお問い合わせください。