EPMAの分光結晶
XM2019-02
概要
波長分散形X線分光器は、X線の回折条件 (Braggの条件) と幾何学的な集光条件を満たすために、試料上のX線発生点と分光結晶との距離、分光結晶とX線検出器との距離が等しくなっています。分光結晶とX線検出器をローランド円に沿って移動させることで、異なる波長のX線を検出します。
弊社EPMAのX線分光器は、このローランド円の半径として140 mmと100 mmを採用しています。ローランド円の半径が140mmのXCE・L形X線分光器は分光範囲が広く、波長分解能やP/B比が優れている、100mmのH形X線分光器はX線強度が高いといった特徴があり、目的に応じて選択できます。
各分光器のPET, LIF, TAP分光結晶および、LDE1やLDE2といった軽元素用分光素子を紹介します。
分光器の模式図
高角側(長波長側)
低角側(短波長側)
超軽元素用分光素子の検出元素リスト
LDE1およびLDE2は分光範囲が広いため、汎用性が高く使いやすい分光素子です。LDE5Hは累積膜(STE)に比べ、NのX線感度を30倍向上させることに成功しました。また、LDE6Hは微量Cや微量Bに高い効果を発揮します。
名称 | 面間隔2d(nm) | 元素分析 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Be | B | C | N | O | F | 適用分光器 | ||
LDE1 | 約6 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | XCE FCS |
||
LDE2 | 約10 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | |||
LDEB | 約14.5 | ◎ | ○ | |||||
LDE1L | 約6 | △ | ★ | ★ | ★ | L | ||
LDE6L | 約12 | ★ | ★ | |||||
LDE1H | 約6 | △ | ★ | ★ | ◎ | H | ||
LDE2H | 約10 | ★ | ★ | |||||
LDE3H | 約20 | ★ | ○ | |||||
LDE5H | 約8 | ◎ | ★ | |||||
LDE6H | 約12 | ★ | ★ |
PET,LIF,TAP分光結晶の分光範囲
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