µCTによる3D構造解析 ~ セラミック内部空隙・粒子分布解析 ~
µCT-AP005
セラミックの特徴として耐熱性、耐圧性、絶縁性、軽量性に優れていますが、脆性破壊しやすく割れやすい性質を持っています。ここでは、お皿の破片を測定して、セラミック特性を左右する空隙径分布と粒子径分布を中心に3D画像と数値で評価したアプリケーションをご紹介致します。
測定条件と測定概要

透過像上の測定範囲(高さ方向)

撮像条件

2Dスライスデータ (画像解像度:3400×3400 スライス数:482)
図1. セラミックのXY断面
黒い丸形部分は空隙、白い点は高密度粒子です。
図1.
図2.グレースケール3D画像
任意の断面情報を確認できます。
図2.
3D空隙径分布解析(ボクセルサイズ:2.0µm)
図3.空隙以外を半透明にして空隙サイズ毎に色を付けたカラーマップ3Dデータです。 空隙サイズが小さいほど深緑色を示し、大きくなるにつれ橙色から赤色で示しており、空隙径サイズ分布の目視確認が可能です。
図3.
図4.空隙径分布グラフを示しており、縦軸は頻度(%)で横軸は空隙径を示しています
図4.
平均空隙径:79.6µm
最大空隙径:252.0µm
3D高密度粒子径分布解析(ボクセルサイズ:2.0µm)
図5.高密度粒子以外を半透明にして粒子サイズ毎に色を付けたカラーマップ3Dデータです。
粒子サイズが小さいほど深緑色を示し、大きくなるにつれ橙色から赤色で示しております。
図5.
図6. 粒子径分布グラフを示しており、縦軸は頻度(%)
横軸は粒子厚みを示しています。
図6.
平均粒子厚み:11.3µm
最大粒子厚み:36.0µm
形態計測結果
評価項目説明
含有率 : 解析領域中に含まれる粒子及び空隙の体積比率。
数/解析範囲 : 解析領域中に含まれる粒子及び空隙の数。
数/mm : 解析領域中の1mm辺りに含まれる粒子及び空隙の数。
形状(SMI: Structure Model Index): 粒子及び空隙の形状が板状の場合は1。棒状の場合は3。球状の場合は5。
密度 : ハイドロキシアパタイトファントム(低~高密度まで6ブロック搭載)を測定した際の密度キャリブレーションデータを基に算出した密度。