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非曝露観察・分析を容易にするリンケージホルダーの紹介

IB2025-02

はじめに

電池材料に代表される活性の高い材料の観察や分析には大気および水分に触れない仕組みが必要である。解析の目的によっては、断面加工 (CP)、断面観察 (SEM)、薄片加工 (FIB)、微細構造観察 (TEM) など複数装置を横断した解析が求められ、試料を曝露することなく慎重に、それぞれの解析装置用ホルダーに載せ替える必要がある。

本システムは透過電子顕微鏡 (TEM) 用のジョイントパーツ (シャトルリテーナー3) をCP/SEM/FIB用およびTEM用の非曝露ホルダーに組み込むことでピンセット作業を削減させ、一連の作業を容易にする。

大気非曝露環境下での試料作製フロー

CPによる断面試料作製からFIBを介してTEM試料作製する場合の大気非曝露環境下での試料作製フローを示す。
本ワークフローではグローブボックスでの作業を最小限にするためCP-FIB共通トランスファーベッセルを使用する。CPからFIB-SEMへ直接搬送できるためCP加工による試料内部の平滑露出と断面からのTEM試料位置選択でスムーズなFIB加工が可能である。

1. 試料の割断・貼付け→2 .試料のCP加工→3. TEM試料作製位置決定→4. TEM試料作製→5. TEMホルダーへ→6. TEM観察

従来の課題

TEM試料が載ったFIBグリッド (半月状のTEMグリッド) をグローブボックス内で、CP-FIB共通トランスファーベッセルからスライドカバーホルダーに載せ替えが必要である。この作業は試料破損のリスクがあり最もスキルを必要とする。
グローブボックス内でピンセットを用い、3 mm程度のFIBグリッドをスライドカバーホルダーへ装着する作業は極めて困難であり、多くの工程を経て作製されたTEM試料を破損する危険性が高い作業といえる。

リンケージホルダー

グローブボックス内でTEM試料の載せ替え作業を容易にかつ試料の損傷なく実施するためにシャトルリテーナー3をトランスファーベッセル内に内蔵した。用途に合わせて2つのリンケージホルダーを用意している。

CP-FIB共通トランスファーベッセル

トランスファーベッセル内に、CP加工用の試料母材とシャトルリテーナ3を取り付けることが可能なCP-FIB共通トランスファーベッセルである。CP試料作製からFIBを介してTEM試料作製までをグローブボックスの作業なしに実現できる。

TEM試料作製用トランスファーベッセル

CP試料作製を必要としない試料に対応したTEM試料作製用トランスファーベッセルである。試料母材とシャトルリテーナー3を同時に取り付けることが可能である。

シャトルリテーナー3

FIBグリッド装着方法

シャトルリテーナー3はFIBグリッドを取り付ける部品である。シャトルリテーナー3には、あらかじめFIBグリッドを取り付けてリンケージホルダーにセットする。シャトルリテーナー3をTEMホルダーへ装着できるため、グローブボックス内でTEM試料作製後のFIBグリッドを直接ハンドリングする必要がない。 

シャトルリテーナー3対応スライドカバーホルダー

スライドカバーホルダーは、先端部をスライドさせることでホルダー持ち手内部の気密室内に試料を収納・密封することで外気から保護する機能を兼ね備えている。

シャトルリテーナー3はワンタッチでスライドカバーホルダーに装着できる。シャトルリテーナー3の載せ替えのみでFIBで作製したTEM試料を簡単にTEMホルダーに装着することができる。

まとめ

  • 新規CP-FIB共通トランスファーベッセルとシャトルリテーナー3によりCP加工からTEM試料作製までを共通ホルダー内で実施できる。

  • TEM試料作製後のFIBグリッドを直接ハンドリングする必要がなく試料破損のリスクを軽減することができる。

  • シャトルリテーナー3はワンタッチでスライドカバーホルダーに装着できるため、TEMへの試料搬送が容易になる。

 

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